序章 千

セントチヒロの両親があっと言う間に豚に変わってしまうのはなぜだろうかという論争を親子間でしてみた。


「きっと 人生は瞬く間に過ぎるからだろう」

「お父さん わたしのスピードは遅いわよ」

「それ はな」


「@」言う間に、私の名前を呼びながら父は流れ星になった。


数式 @-「間」=☆彡


式でセントチヒロチッチの父へ捧げる魂のこもった歌は何よりもの供養となった。


今、私は墓前で父に語りかける。


「やっとわかったよ 年を重ねれば重ねる程経験値が上がり、物事の経過が早く感じるのね」


「ぴゅ ー ー ー」その風に乗って誰しもが時の移りゆくスピードに波乗りしていく。この間隔。






「今年も1年早かったな」

「今年の冬は寒いな」

「この前孫の姿見たけど、また大きくなったな」

「この文章、去年も書かなかっただろうか…」

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