第7話 だから髭って言ったでしょ

「高齢者からだ」「いや、若年層から」「いやいや働き盛り世代だ」「エッセンシャルワーカーから」「めっせんっジャー的存在宝」「だから宝髭をとるのをやめて」


高級スナックでの会話。


「そこのあなた、いくら興味ないからって、顎の髭ばかり取るのやめて」

「これ、僕の宝ですから」

「あら、ソー」韓国人ホステスがツレナクうそぶく。


「ママさん あの娘はなんていう個?」

「ああ、レプリカントよ」


「ふーん この曲いい音」

「ああ、プリテンダーズの曲よ」


「笑えるね!このトーク」

「どこが、面白いの?」


相変わらず、隅っこのソファーに座るあの男は、顎髭を手の甲に並べている。


「これが自由に羽ばたく黒羽になる」その男は消え、カラスの羽が1枚あざ笑うかのように一番綺麗なホステスの髪に神ざした。


LONG LONG AGO


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