第4話 コンサートとCDの歌同じ説

口パクだと思ってた…その恩方の歌を聴くまでは


周りの友はどうせ口パクだからとか、演奏も音源だからなどと言って、コンサートに付き合ってくれない


私はどうしてもその方の生歌を聴きたくて、ひとりでオープンスタジアムコンサートへ出かける。


会場は異様な熱気とざわめき


軽快なダンスナンバーや秋の気配も感じさせるバラードも


夏本番というところ。SEA DAY


「CDと同じだ」


「ん…ていうことは、口パク、まさかまさか」


その歌姫の生歌を聴いて悲しみが止まらなくなった。


帰り道、ぼくの軽自動車のドアミラーに蜘蛛の子が隠れているのを感じた


高速道路を走行中、その子は時よりミラーのすき間から出てくる。「危ないよ」


そう思いながら、ぼくは、カーステレオでオリビアを聴きながら2つのことを同時に考えている。


「おもてなしは裏だったか」

高架看板には「逆走運転禁止」と掲げられていた。


逆回転で悲しみがとまならないを聞いたら、HAPPY ENDでゴールフラッグをふられてしまった。

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