第18話

今の俺はというと先生に呼びだされている問題児である。


「君はさー、悪くはないんだよ。でもな?ちょっとは学校行事というものに関心を持ったらどうなんだ?先生は君という人が楽しめてるのかわからん」


「学校行事なんて物、俺みたいなやつは目立っちゃダメなんですよ。目頃から目立ってるやつが率先すべきなんです。そういうことで」


俺がカッコつけて職員室から脱出しようとする。すると先生は高笑いをした。


「君は最高にバカだ。私が逃がすと思っていたのか?君を男女混合リレーに推薦しといたから、ヨロシク!」


男女混合リレーって目玉種目じゃないか、俺はムカデ競走でいいんだ。それも真ん中でいい。あんなみんなの目に留まる競技絶対に嫌だ。


「先生、それだけは勘弁してください」


「君の理論でいると目立っているならいいんだろ?君は十分目立ってる、安心しろ」


「現国の先生なだけありますね、俺は一生恨みますから」


「かかってこい、青年よ!アッハッハッハッハッ」


わざとらしく笑う。クソうぜぇ、が自分が言ったことなので曲げられん。そういや俺は悪目立ちしていたっけ。静かに過ごそう、これからは。


俺は、先生に一生彼氏ができない呪いをかけておいた。そんなことをしなくてもできないだろうけど。


「男女混合リレーおめでと」


席に戻るとそうそうに千紗が親指を立てていた。私を巻き込むなよと牽制しているのだろうか、とにかくメンバーは決まってしまっているのだから、頑張るしかない。


「夏目くん、一緒に頑張ろうね」


神崎がよってくる。こいつ、運動お化けだった。嫌がっている理由は運動神経が悪いからじゃないことだけ、証明しておこう。


運動はできる男なのだ、夏目京介は。槻ちゃんを守るために体は常に鍛え上げられているために、

本気を出せば余裕で運動部に勝てると思う。

が、目立つのはもう懲りごりなので、絶対に本気は出さない。


「お手柔らかに頼む」


俺がそういうと、神崎は俺の手をとって


「そうだね、私のために頑張ってね」


多分、神崎は私を勝たすために頑張れと言いたかったのだろう。でも……。

千紗がさっきまで上に立てていた親指を下に向ける。

ほら、勘違いされただろ?


♣♣

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