第17話

テストが終わって夏に差し掛かり始めた頃。少し運動すると水が欲しくなるくらいには暑くなってきた。地球温暖化を肌で感じられる。南極のペンギンさんも大変だなぁ……。


「えー、今から体育祭のダンスをペアを決めたいと思う。ペアが出来ない奴とか出てくると先生、困るので適当にクジで決めます」


おぉ、心優しい先生。これで一人余るとか無くなるけど……。俺となった時に嫌な顔をされないかとか気にしてしまう。出来れば知り合いがいい。


「公平なあみだくじの末にこんな結果になった。見てくれ」


俺は、一番最悪なやつとなってしまった……。ちなみに槻ちゃんは神崎となっていた。神崎が槻ちゃんに抱きつく姿は目の保養になる。


「ダンスとかだる……」


などとほざく無気力女子。ちなみにこいつのペアが俺というわけである。

こんな行事と全く向き合う気のないやつと組むのは俺たちのダンスは終了したかもしれない。


「お前ダンスとか踊れたっけ?運動まずできんの?」


細く白い足に華奢な体。ハードな運動ができそうでは無い。


「踊れるわけない」


そう言って手のひらを合わせて恋ダンスを踊ろうとするがそれですら少し違う気がする。絶望的である。


「えー、今日から体育祭に向けて朝練が入ってくる。個人種目もあるから覚悟しとくように。種目は立候補制だが特にない場合は先生が決めておくからなー」


俺は別に運動が苦手な訳では無い。槻ちゃんに似合う男になるために運動ができるという条件は欠かせなかったからな。

空手では地方で一位になるくらいの実力がある。


「走りたくない……。しんどいの嫌」


明らかに負のオーラをまとう千紗はだるそうに先生によって行き楽そうな競技を選びにいったのだろう。

俺は別に何になろうと構わないから先生に決めてもらうとしよう。










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