第13話
俺の非童貞説は無くなった。その代わりに俺は自分の尊厳をなくした。
神崎には童貞だと笑われ、槻ちゃんには問い詰められと最悪であった。嘘をつくのは良くないと知った、そんな1日だった。
最後に終わりのホームルームで我らの担任の桐谷千鶴先生が話し始めた。
先生は婚期が迫ってきているが、とてつもなく理想が高く不器用である。
身長は高く、出るとこはでて引き締めるところはしまっているモデル体型である。顔も美人で欠点という欠点は見つからないのだが、嫁にいけない。
「中間テストが2週間前に迫ってきた。お前らはちゃんと勉強しているのか?勉強は大切だぞ?青春などとぬかしている暇があるなら勉強をしろ」
そう言って自分が恋愛が出来ないことを生徒にぶつけてきた。とりあえず先生は勉強をしろということなんだろう。
俺は学校で2桁以内に入るようにはしてるから、勉学を怠ることは無いが……。
横にいる千紗は耳が痛い話は聞かない、とでも言うように腕で耳を覆うようにして寝ている。成績は悪い方ではなかったと思うのだが、これだけ寝ていたら、まぁ想像はつく。
「千紗?勉強はついていけてるのか?いつも寝てばかりで」
「わたしはいいの〜。賢いから」
そう言って現実逃避をしている。そして千紗は帰ろうとして荷物をまとめ始めた。
彼女のファイルから白い紙が1枚落ちた。拾ってやろうと持ち上げると、千紗は「あっ」と声を出して俺から取り上げようとするが遅かりし。
「見たの……?べ、勉強を教えて」
「お、おっけ……」
彼女の紙には生物の小テストの結果があった。20点満点で1点というすごい結果をとっていた。
これでは今回のテストは絶望である。暗記系が出来ていないなら、数学なんて授業を聞いていなかったら尚更出来ないだろう。
「あふぅ……、死にたい」
そう言って机に突っ伏して大袈裟に落ち込む。2週間で足りるのだろうか……。
そんな疑問が俺の中に沸いた。
♣♣
ねぇ、今どんな気持ち?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます