第35話 悩み


コンコン


「んー、まだ寝る。」

「もうお昼近くだよリアン。」

「え!?……はっ!ティアさん!?」

「おはよう。よく寝ていたね。朝は起こさなかったけどさすがに昼だから起こそうと思ってね。」

「ありがとうございます。」



うわぁ、お昼まで寝ちゃってたんだ。

どうりで外がすごい明るい訳だ。



「お昼食べるかい?」

「はい。着替えて下に行きます。」

「わかった。待ってるよ。」



着替えて下に行くと既にメリスが座って待っていた。

そりゃそうだよね、お昼だもん。

こんなに寝たの初めてかも。



「おはようリアン!」

「おはよう。」

「ほら二人とも運ぶのを手伝って。」

「「はーい。」」



今日もまたおいしそうな料理がテーブルに並ぶ。

昨日の夜はごはんだったけど、今日はパンだ。

ふわふわですっごくおいしいけど、スープに付けるともっとおいしい。

これは、食べるのとまらないかも!



「おいしいかい?」

「すっごくおいしいです!」

「ふふっ、リアンがそう言ってくれるのは嬉しいね。」

「メリスもー!おいしいよー!」

「はい、ありがとう。」



お兄ちゃんたちといた時のご飯の時間を思い出しちゃう。

家に帰りたくなっちゃうから、思い出したらダメだ。

それにここで仲良くなったとしても、発作を起こしたらまた…。

ううん。こんどはそんなことにならないようにしないと。



「ごちそうさまでした。」

「おそまつさま。」

「部屋に戻ります。」

「もうかい?」

「はい。おいしかったです。」

「ちょっとリアンいいかい?」



ティアさんが呼び止めてきた。

何か用事でも…って思ったけどそうだよね、普通だったらご飯食べた後も話したりするもんね。


でもごめんなさい。

あまり長く一緒にいちゃいけない。迷惑がかかっちゃう。



「ごめんなさい、眠いので先に部屋に戻ります。」

「ちょっとリr―!?」



ここ最近は家でもお母さんたちに迷惑かけないようにってしてたし、ここでももちろんそうなんだけど、すごく眠い。なんでだろう。

ご飯食べて部屋に戻ったらすぐに寝ちゃう。

起きていられない…眠…い……。



「ん!!…リア…!—」



なんか聞こえる気がする?





「リアン!」

「ぅわぁああ!?!?」

「寝てるとこ、ごめんよ?」

「い、いえ、大丈夫です。」

「メリスと買い出しに行こうと思うんだが、一緒に行くかい?」

「昨日から寝てばかりで部屋を片づけてないので今日は起きたついでに片付けます。」

「そうかい…。何か必要なものがあったらいうんだよ。」

「はい。ありがとうございます。」



その後部屋の片付けが終わってリビングでくつろいでると、2人が帰ってきて私の部屋に飾る用でリースをくれた。

ティアさんの手作りらしい。

メリスが自慢げに花は私が選んだって言ってた。

ピンクの花が使われてて可愛すぎるぐらいかわいい。



「リースありがとう。メリスが花好きだったなんて知らなかった。自分に咲いてるからむしろ嫌いだと思ってた。」

「んー、確かに好きじゃないかもしれないけど、大事な友達にプレゼントするためだったらちゃんと選ぶよ!」

「そっか。ありがとう。」

「どういたしまして!」





それから私たちがゼフラ町に来て1週間ぐらい経った日。

私は初めてティアさんに反抗した。



-続く-






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