第6話 再出発
それから私は今まで興味のなかった花の名前や花言葉、など調べて働くようにした。
花束を作るときに花言葉やモチーフを知っているだけで全然印象が違くて、前に作っていた花束とは違って見える。
お客さんにも喜んでもらえることが多くなったと思う。
やりがい?というものが出てきたのかな?
何より、花を選んだ理由を自信を持ってお客さんに伝えられることが一番うれしい。
それに、自分に咲いた花の事も何となくわかるようになってきた。
でも、うれしいことばかりではなくて、私とリアンのお母さん代わりだった店長の奇病の進行が着々と進んでいっている…。
最近ではもう腕を上げることや足を動かすこともできなくなってきていて、お店はほとんど私が切り盛りしている状態になってしまった。
「メリス、こっちに来てくれる?」
お客さんがお店の中にちょうどいなくなったタイミングで、椅子に座った状態の店長が私を呼ぶ。
「なに?」
「今度、リアンもここに呼んで久々に3人でお店をやってみないかい?」
「このお店を?」
「そう。一日だけでいいんだ。頼めないかい?」
「分かった。今日帰ったら聞いてみるね。」
「ありがとう。」
そういわれた瞬間、店長の寿命がもう短いのではないかってふとおもってしまった。
でも店長の鉱石病は進行が遅いと言われているし、まだ店長の進行は手足だけだからそんなすぐに進行してどうこうなることはないと思うけど…大丈夫だよね?
リアンとお店に立つのも久々だから楽しみだし、店長とリアンが会うのもかなり久々な気がするから気合入れないと。
翌日
「店長、メリス、ただいまー!」
「おかえりリアン。大きくなったんじゃないか?久々に顔が見れてうれしいよ。明日はよろしく。久々の花屋の仕事だから忘れたんじゃないだろうね?」
「大きくなったってどこがー?横?縦?もう、店長ひどいよー。てか、そんな短期間で忘れるほどおバカじゃありませーん!」
リアンは店長の姿を見て一瞬驚いていたけど、いつも通りの笑顔で話してた。
店長は笑っていたけど、一瞬どこかさみしそうな顔をしながらリアンと話していて胸が締め付けられそうになる。
明日は楽しく過ごせるといいな。
‐つづく‐
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【あとがき】
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