第5話 青い花


 「今度うちから質問いい?なんであなたはうちらを避けたりしなかったの?」


 「奇病を持っているということ以外、俺と変わらないと思ったから。」


 「変わらない?うちらが?ほんとに?」


 「この一週間、俺はこの町にいて感じたのは、確かに奇病の発作は俺からしたら怖いと感じるものもあった。でも、そこを除けばなんら変わりはない普通の人間です。だから避けるという選択肢は無かった。」



この人は、私たちが普通の人間って言ってくれるんだ。政府の人たちから地図にないようなこの町に連れてこられた私たちを。



 「うん、そっか、ありがとう。その言葉が嘘じゃないってうちは信じてるよ」


 「もう質問とかがないなら俺はこれで帰ります。お世話になりました。」


 「まってください、あと一つだけ。」



アダロさんなら、渡しても大丈夫だと思う。

私に咲いた花は体から取ると普通の花と一緒で時間が経つと枯れちゃう。

ダメにしちゃうより、そっちの方が花もいいよね。


 

 「あの、この花を持って行って下さい。」


 「これ、青い花…?いいんですか?あんなに売れない、無いって言ってたのに。」


 「いいんです。この花は私のだから。アダロさんに持っていってほしいと思ったんです。」


 「ありがとうございます。親方にちゃんと届けるんで。本当にありがとうございます。」


 「失くすなよ。メリスがあげた花なんだから。」


 「親方に渡して作品ができたらお知らせします。必ず。」



アダロさんはその後もありがとうと繰り返しながらこの町から帰っていった。

親方さんはどんな花を飾るんだろう。一度でいいから見てみたい。

ドクターに相談したらわかるかな?

あと、話を聞いたらすごくフラワーコーディネーターっていう仕事が魅力的で私も目指してみたいと初めて思った。



 「リアン、私ね、フラワーコーディネーター目指してみようと思う。」


 「いいじゃん!今まで店長に言われて花屋やってたんだもんね。応援してる!」


 「うん!ありがとうリアン。」




‐つづく‐





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【あとがき】


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最後までよろしくお願いします(*‘∀‘)ノ

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