第3話 聞きたいこと
あの男の人をさがさないと。
どこにいるんだろう。
泊まっていた宿とか何も知らないのにどうしよう。
「何をそんな急いでるの?」
「リアン!あのね、さっきお店に来た男の人を捜しているの。」
「男の人?何のために?」
「ちょっと聞きたいことがあって。」
「そっか、じゃあ二人で探した方が早いね!」
「ありがとう。まだこの町にいるって言ってたから探したらいると思うんだよね。」
「わかった!」
ふたりであの男の人を探すことになった。
探している間にリアンにも男の人を探している理由と、店長に私から花が咲くことを伝えてはいけないと言われたこと伝えて、どう思うか聞いてみた。
答えは『私も伝えないほうがいいと思う…。』という意外な返答だった。
リアンが言うには『その人が信用できるかまだ分からないし、花を探してるってだけで何に使うのかわからないじゃん?』って。
確かに探しているとは言っていたけど親方さんに頼まれたとしか言っていない。
でも親方から探してこいと言われただけでこんな未知の町に来たいなんて思うわけがない。
だからこそ、直接聞いてみたい。
「あ!あの人だ!」
あの雰囲気は絶対にあの男の人に間違いない。
「あの!ちょっと待って!!」
「何…ってさっきの店員さんじゃないですか。そんなに急いでどうしたんですか?」
「お名前はなんていうんですか?花は何に使うんですか?あと、どうしてここの町に来ようと思ったんですか?親方さんに花はなかったって伝えてその後はどうするんですか?」
「ちょっと待って下さい。そんなにいっぺんに聞かれても。」
「メリス、落ち着いて。」
「あ、ごめんなさい。」
つい勢い余て聞きたいこと一度に聞いてしまった。
ちゃんと声かけたから逃げないよね。
大丈夫。
「あ、そういえばまだ自己紹介してなかったですよね。あんなに店に通っていたのに。
「そ、そうですね。」
「俺はアダロって言います。フラワーコーディネーターという仕事をしています。」
突然すぎない?
今私が話していたことに答えてくれるのかと思った。
かなりマイペースな人?
「あ、あの、私はメリスといいます。花屋で働いています。あとこの子は、幼馴染のリアンです。」
「初めまして、リアンです。うちはパン屋で働いてます。てか、フラワーコーディネーターって何するんですか?」
「簡単に言うとお客さんに頼まれた雰囲気に合わせて花を飾る仕事ですかね。結婚式とかよく飾り付けしたりします。」
「頼まれた雰囲気で作るってすごいですね。私みたいな花屋じゃなれないですね。」
「花のことを一番よく知っているのは花屋だと俺は思います。今からでもなろうと思えばなれると思いますよ?」
今まで花屋なんて何にも役に立たないって思っていたけど、コーディネーターならいろんな場面で活躍できそう。とか言ったら考えが浅いとか言われないかな?
アダロさんだってなろうと思えばって言ってるし、本気で考えてみようかな。店長に相談してみよう。
「そういえば、質問があるって言っていましたけど、何だったんですか?」
「そうでした。その為に探したんです。まず、なんでこの町に来ようと思ったんですか?」
「まずってことは何個かあるんですね。まいいや、この町に来た理由は前に話した通りで、この町は地図にない変わった町だって親方から聞いて実際に自分の目で見てみたいと思ったから。これで答えになっていますか?」
「はい。でも、地図に載っていないってだけで来たいと思えるんですか?」
「ほかにも親方からその町の人は体が石でおおわれている人がいたり、花を吐いたりする人がいる町があると聞いたことがあった。はっきりとは言わなかったけどこの町のことじゃないかと思って、来てみたんです。」
「そうだったんですね。実際に来てみてどう思いました?」
‐つづく‐
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【あとがき】
読んでいただきありがとうございます!
少しでもいいなと思っていただけたら応援やコメント、★つけていただけると励みになります。
最後までよろしくお願いします(*‘∀‘)ノ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます