101.5話 助力と圧倒(ネア視点)


 グチャッ



 これでよし。シロがチャットをしてる。世話の焼ける……。




 シロ:{ちょっとしんどいです}


 ネア:{行く}


 シロ:{ありがとうございます}




 場所は南側。あらかじめ決めてあるのはかなり楽。いつものは自分に使えないから走って行く必要がある。



 木の幹を蹴り、南に向かう。こういう時は小さい体が役に立つ。




 居た。相手は三人組。剣、魔法、回復のバランスの良い構成。

 


「……シロ、防衛に回って」


「! わかりました!」



 シロの羽が羨ましい。昼だと弱くなるのは嫌だから吸血鬼は嫌だけど。



「逃がさない。火の玉よ〖ファイヤボール〗」


「……火よ波打て〖ファイヤウェーブ〗」



 火の波で防ぎつつ相手の視界を奪う。



「魔法使いです! ハクさん、お願いします」

「ええ!」



 魔法使いだと思われたみたい。接近戦なら勝てると思ってる。早計。



 相手の魔法使いに向かって接近し、手を触れる。そして蛙に。



 グチャッ


 踏み潰してまずは一人。



「な!?」

「一体何が!?」



 戸惑う二人に接近。ここで決めれれば楽だけど、



「っ! 【限界突破】【グランドスラッシュ】!」



 斬りかかってきたので後ろに跳び退く。


「……火の槍よ〖ファイヤランス〗、風の刃よ〖ウィンドカッター〗」


 避けると同時に反撃。



「くっ……」

の者を癒したまえ、〖ヒール〗、彼の者に癒しの加護を、〖リジェネ〗」



 掠ったようだけど、回復が厄介。先に倒そう。




「【限界突破】! 【乾坤一擲】!」


「ハクちゃん!? 流石に3重は……」


「本気でいかなきゃ勝てない!」



 熱い展開なんだろうけど、私の目の前でやらないでほしい。鬱陶うっとうしい。



 近くにある石を拾って、


「……【チェンジ】」



 石と回復役を入れ替え、手で触れる。先程と同じように蛙にして踏み潰す。


 グチャッ



「……あと一人」



「な!? くっ、【勇猛果敢】【聖剣解放】」




 剣から光の奔流がほとばしる。今更バフを積んでも遅い。もう準備は整った。





「……輪廻之外法りんねのげほう其ノ壱……【彼岸花ヒガンバナ】」





 光の剣が私の首に迫るけど、その前に彼岸花が相手の全てを覆い尽くして、養分にする。



 疲れるから使いたくないけど、今のは仕方ない。私は近距離でのスキルが少ない。




『レベルが上がりました』





 まだ余裕だから、もう少し狩ってから戻ろう。




「……ペットの持ち込みありがよかった」




 移動が不便で仕方がない。




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