99話 第二回イベント開始と作業

 


 若干肌寒い空気、おそらく気のせいだが、酸素も薄く感じる山の山頂。山と言ってもそれほど高い訳では無いが、辺りを見渡すには十分な高さだ。




「まずはネアとシロ以外で近くから順番に潰していくよー」


「了解でやんす!」「はい」



「頑張って頂戴」「……ここは守る……安心して」


 皆やる気十分なようで。



 ここは中央から少し北に寄った所に位置している。そこそこの激戦区になるだろう。早めに周りを潰しておきたい。




「ボクがここから南に、マツは北西に、リューゲは北東だよ」



「了解でやんす」「承知致しました」



「作戦開始!」



 作戦(ゴリ押し)だが。







 お、いたいた。十人だな。丁度いい。


 木の陰から、

「〖chaotic arms〗」


 全員を倒すように配置して振り下ろす。




 グチャッ




 Wow……。さっきまで和気あいあいとしていた人達が一瞬で挽肉になってしまった。弱肉強食の世界では一瞬で全て変わってしまうということを教えてあげたというわけで許してほしい。ガラス玉も割る。



 これで持ち点は20点。戻ってもいいが、効率が悪い。もう少し稼いでからにしよう。







 ……ルが上がりました』



 お昼になってしまった。あれからもう少しもう少しとやり続けて早4、5時間。ひたすら殲滅していた訳だが、そろそろ戻りたい。お昼ご飯食べたいし。


 交代はまだ行われていない。きちんと時間で分けてはいないので疲れたら交代ってスタイルだと思う。誰も言わないから未だにネアとシロは守っているんだと思う。


 流石にシロがいたたまれないので駆け足で戻るか……。あの二人、シロが土下座するレベルで上下関係が出来上がってるし大変そうだからな。






「【ダブルスラッシュ】」


「【バックステップ】」





 危ないなー。冴えない男が現れた。特徴の無い、いかにもサラリーマンって感じだな。

【魔力感知】に反応は無かったから隠密系統のスキル持ちか。どれ、少し煽ってみるか。



「挨拶も無しに攻撃とは随分とガラの悪い人だねー」


「はっ、あんたが強そうだから出し惜しみなく倒そうとしてるだけだぜ」



 今まで相手にしてきたプレイヤーとはレベルが違いそうだ。でも、俺よりは弱いな。



「【スリップ】〖chaotic arms〗」


「【疾走】!」



こけて腕が命中。

 避けようとしたみたいだが、【スリップ】大先生からは何人なんびとたりとも逃れることはできない。さすがっす!



 相手が何点持ってたかは分からない。ガラス玉で得点を入れる時にまとめて表示されるらしい。元々溜め込んでたから結局分からないんだけどなー。


 今度こそ戻るか。











「ただいまー」


 陣地の小屋に戻ってきた。リューゲ以外揃っているようだ。



「ちょっとご飯食べてくるわ」


「なら私も一回食べてきます」


「……食べたら交代?」




「そうそう。二人ともあとちょっとお願い」



「……ん」「はい!」



 シロは元気だなー。きっとネアと仲良くできてるんだろう。よかったよかったー。



 ちなみに俺が入れた得点は……127点!


 やったぜ!


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