五章 黒幕(仮)激突

98話 ハイテンションと第二回イベントのルール


 昨日はばあちゃんたちの家でのんびりした後、帰ってきたわけだが、ゲームはやってない。


 つまり、



 イベントじゃーーーー!!!!!!!!



 支離滅裂滅茶苦茶の無茶苦茶?

 当たり前よ! 昨日は湿っぽかったから今日はアゲてくぜー!!!!




 という訳でログイン。



 イベント開始まであと30分ぐらいある。皆が居そうな食堂に向かう。


「あ、ご主人様。おはようございます」


「おはよー」


「今から食堂へ?」


「そうそう。皆居そうだし」


「そうですね」



 食堂に到着。


 お、やっぱり全員お揃いで。



「……おはよ」

「おはよございますわ!」

「おはようでやんす」



 二人目の口調がかなり不自然だが、ツッコミの時間で貴重な時間を無駄にしたくないのでスルー。



「おはよー」

「おはよございます」



「早速だけど、今回のイベントの内容の確認と作戦会議を行うよ!」


「「「おー!」」」


「……なにこれ」


 雰囲気が大事なんだよ。分かってないなー。



「まず今回のイベントは、所謂いわゆるチーム戦である!」


「「「はい!」」」


「……」



「クランごとで拠点があり、そこにあるガラス玉を防衛しつつ他を攻めることがメインだよ。得点計算は他のクランのガラス玉を壊すと+10点、人を倒すと+1点だよ」



「「「「……」」」」



 みんな黙って聞き始めた。真剣になったのを感じ取ったんだろう。



「得点をするとすぐに入るのではなく、自分のクランのガラス玉に近づいて得点を入れる必要がある。もし途中で他のやつに倒されると持っていた得点は入らない上に、持ち点の半分を奪われる」



「逆に言うと帰る途中を狙えば効率がいいわけだ。そして今回も前回同様一度死ぬとイベントフィールドで復活はしない」



「死なずに自陣の玉を守りつつ他の玉を壊して倒すのが定石だと思う。時間は丸一日。上手く交代でご飯をとり寝たければ寝るように回す必要がある」



「多く得点するために今回は一人で行動してもらう。ヤバくなったらクランのチャットで場所を大体で書き込むように。守りは二人でローテーションでいくから、今からジャンケンね」



「最初はグー、ジャンケンポン」

「「「「ポン」」」」



 勝ちは二人でネアとシロ。



「別れてジャンケンでよろしく。ジャンケンポン」

「「ポン」」


「はい、もう一回、ジャンケンポン」

「ポン」



 決まった。別に問題ないだろう。




「今決まった、シロ、ネア、マツ、ボク、リューゲの順番で守りに入って攻めに出るように」



「言い忘れてたけど、今から陣地を決める抽選が行われるからそれ次第だけど、基本的に近くからしらみ潰しで倒していくように」



「ご主人様、抽選とは何ですか?」



「クランリーダーにメッセージが来てて、クランの人数が少ない所から順番に陣地を選んでいくんだ。同数の場合抽選で順番が決まるから、わかりやすいように抽選って言った」



「なるほど。任せましたよ、ご主人様!」



「任せなさい」



 運には少々自信があるんだ。ジャンケンならともかく、抽選では特に。だってこのゲームも抽選で買う権利を手に入れたからな。


 他の人もそうだというツッコミは要らない。こちとら姉がβ版当ててる上でだから。もっと運いいから。



 あっ、順番が決まったらしい。どれどれ……。



「13番目だって」



「「「微妙」」でやんす」「ご主人様らしいですね」




 やかましい。同数の中できっと前の方なんだろう。マツは俺の何を知ってるんだよ。






「順番が回って来たみたいだよ」



「……山みたいな高い場所」


「分かってるよー、流石にそんくらいはねー」



 良さげな山が空いていた。ここにしよう。




「完璧。地図がチャット欄から見えるから確認しといて」


「他の陣地の場所まで描いてあるでやんすね」

「親切設計ね」

「いい具合に囲まれてますね」


「……周り多くない?」




「これぐらい倒さないとランキング狙えないから。こっちはたった5人だけど他は10、20居るから」




「…………そう」




 それにこちとらレベル的にはトップ二人がいるし、それぐらいの負担、どうってこと無いはず。






『イベント開始時刻になりました』『参加者のイベントフィールドへの転送を開始します』



 視界が暗転して……

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