92話 【超腹筋】と童子切安綱
さっきまであんなに
「死ねや!!!!」
「【深化】全身15%」
『【深化】出力:15%を確認』『レベルが強制的に上がりました』『レベルが強制的に上がりました』『レベルが強制的に上がりました』『レベルが強制的に上がりました』『レベルが強制的に上が………………
「【超腹筋】」
同時に腕を顔の前で交差させる。
ガチンッ
殴り系は基本顔面か腹が定番なんだよ! 何回殴り合いしたことか。
「【光剣の舞】、【スリップ】、〖chaotic arms〗、火の槍よ〖ファイヤランス〗」
バランスを崩した後、一斉攻撃。これは勝ち確やろ。
「ふんっ!」
は?
「グアッ…………!?」
まとめて一撃で吹き飛ばされた? スキル無しで? これはまずい。
「人間、大口を叩いた割にこの程度か?」
調子に乗って座って酒飲み始めたぞ、こいつ!
どうすればいい? 童子切安綱はきっとあるであろうアイテムのスキルが確認できないので戦力外。
キャシーちゃんのナイフにはこんなフィジカルモンスターの相手はさせられない。刃が通らない未来しか見えない。
大本命の
ここまで来て失敗はまずい。
一か八か、童子切を腰から抜く。
「これは鬼によく効く太刀なんだけど……」
「だからなんだ? 良いものを持っていても使い手次第だろ?」
「…………」
ぐうの音も出ないほどのド正論だな。ハッタリは通じないか。
打つ無しか……。死ぬ可能性もあるけど【深化】を全力で使うしかなさそうだな。
「【深k――!?」
後ろから急にすごい魔力を感知。【魔力感知】さまさまだ。カウンターを振り向きざまに決め……
え?
「ここどこ〜?」
この口調、聞き覚えがある。というか毎日聞いてる。
「姉さん!?」
「ん〜〜? こうくん?」
何故とか、どうやってとか、色々聞きたいことはあるがナイスタイミングだ。
「姉さん、あの鬼倒すの手伝ってくれない?」
「いいよ〜」
即答か。変な人に騙されないか、弟としては心配ですぞ。
「〖ザ・ゼ〜ロ〜〗」
「おっと」
何かしらの攻撃をしたようだが避けられたみたいだ。にしてもあの雑な感じで発動するのはなんなんだ……。
「そうだ。姉さん、アイテム鑑定のスキルある?」
「これでも魔女RPしてるからあるよ〜」
「これお願い!」
「いいよ〜。【アイテム鑑定〜】」
なんて優秀な姉だろうか。世界一の姉だ。誇りに思うよ。
「どう?」
「
そのまんまかい。
「詠唱がいるみた〜い」
「どんな感じ?」
鬼の親玉は待ってくれてる。戦闘狂って待ってくれるよな。強い方が楽しいからだろうな。
「長いから続けて言ってね〜」
「りょ」
「頼るる光の源〜」
「頼るる光の源、」
「
「神便鬼毒酒を以て、」
「
「星兜を被り、鬼を討つ」
「詠唱終わり〜」
「――――【童子切り】!!!!」
うおっ、体が勝手に!?
あ、やばい。あいつ拳を構えて待ってやがる。オワタ。
「ハッ、こんな単調な太刀筋で俺様が殺せるもの…………っ!?」
スパンッ
腕を縦に真っ二つにして、そのまま首まで簡単に切れた。やっば。強すぎひん?
『レベルが上がりました』『レベルが上がりました』『レベルが上がりました』『レベルが上がりました』『スキル:【剣術】を獲得しました』『【思考加速】のレベルが上がりました』『【体捌き】のレベルが上がりました』『【魔力感知】のレベルが上がりました』
「あっ!
ふぁっ!? 姉さん転移できるの!? 魔女RPするだけはあるなー。
「さてと、残りのヤツらもやるかー」
「え? おいあんた、茨の兄貴にしか手を出さないんじゃ……?」
モブ鬼が意見とは、躾がなってないんじゃない?
冗談はともかく、あいつ、茨木童子だったのか。今となってはどうでもいいけど。酒呑童子は史実通り源頼光が倒したんかな。
「顔を見られたからには生かしちゃおけん!」
「くそ! これだから人間は!」
クソデカ主語やめてくださーい。叩かれますよー。今から殺しちゃうんだけど。
「頼るる光の源、神便鬼毒酒を以て、星兜を被り、鬼を討つ【童子切り】」
「ギャアアアアアアァ――――」
皆殺しじゃ! ヒャッハー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます