23話 報告と早寝



……しくしく(泣)


 ボコボコでしたよ。まったく!


 キアーロちゃんの使った【剣舞】は剣を振れば振るほど速度が上がるっていうつよつよスキルだった。


 おっさんはなんか【愛の戦士化】とか言ってあの筋肉のまま、例のプから始まるキャラのコスプレみたいな格好で謎のステッキを振って魔法打ってきた。絵面は酷いし、普通に強いしで負けた。


「はぁ、連絡しよ」


 今は手合わせという名のリンチの後案内された寝室。



 〈……わっ!〉


 驚かしてみた。まだ20時前だから起きてるはず。


 〈ボス! 驚かさないでくださいよ♪ お茶こぼしちゃったじゃないですか♪〉


 大成功!


 〈報告しようと思ってね。それにしても念話使えるようになったんだね。何も念話来ないから出来ないと思ってたよ〉


 〈それなら、ボスで練習するのもあれかなって思ったので、レネフで練習しました。情報交換もついでにやっときました〉



 レネフって誰だっけ? 迷子ちゃんとの共通の知り合いだと、ネアくらいじゃない?


 あ、他の闇ギルドのお頭がいたわ。女性の名前っぽいし、アマゾネスのオレっ娘さんかな。


 〈そっかー。本題に入るけど、エルガー辺境伯に会ったんだけど、ボクが隣国の悪い噂の調査員みたいな立ち位置で説明したから合わせといてね〉


 〈……はぁ。分かりましたよ♪ でも今後は先に言ってくださいね♪〉


 〈善処するよ。あと、なんか悪い噂があるのはホントらしいから王女さんの株が上がってたよ〉


 〈なんで……まぁいいです♪ それより、さっきから隣国って言ってますけど、隣がどこの国か分かってます?〉


 そりゃもちろん……


 〈どこなんだろ?〉


 〈まったく♪ 下調べしてくださいよ♪ 隣はプロフェツァイア帝国です♪〉



 言いにくそうな名前だな。


 〈おっけー。そっちの報告はある?〉



 〈そうですね……王都の復興は順調に進んでるってのと、レネフの方で、ボスが村を滅ぼしたがってたから1つ滅ぼしたって感じです♪〉



 まさか?


 〈村を滅ぼしたのっていつのこと?〉



 〈確か、時間的には王都で騎士団と戦ってたくらいですね♪〉


 やっぱり! あの団長さん戦でちょっと遅れてクリアされた深化の解放条件はオレっ娘さんのおかげか。ナイスアシスト。



 〈ありがとうって伝えておいて〉


 〈ボスが言えばいいのでは?〉


 たしかに。でもここでそんなこと言ったら黒幕としての威厳が!




 〈いや、これから忙しくなるから連絡できないからね〉


 〈帝国に行くんでしたね♪ 頑張ってくださいね♪ 〉


 〈あ、そうだ、追加でもう村滅ぼさなくていいよとも伝えといてね〉


 〈いえ、レネフは義賊もどきですから、ちゃんと滅ぼしていい所か選んでますので、このまま続けさせます♪〉


 最初に会ったとこの近くの村も悪い所だったのかな?



 〈それと、帝国の悪い噂って何か分かるかい?〉


 〈ええ、国の上層部が魔族側についてるという噂ですね♪〉


 ほうほう。魔族。勇者がいるからやっぱり魔王もいるんかな?


 でも、聞くことはこんなもんだな。


 〈じゃあ、寝るから。おやすみー〉


 〈はい♪ おやすみなさい♪〉


 ヨシ。いっぱい走ってボコボコにされて疲れたし、今日は早めに寝よう。夜更かしばっかしてたから眠い。



 あ、お金がないのって言うの忘れてた。また今度でいっか。




 ログアウト〜視界グルグル〜


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る