19話 狩りと昼食



オーガたちと別れて街道に戻った。外套を迷彩色にして仮面も外した。

 一人旅の続きじゃー!


 かなり歩いたけど、まだ町とかが見えない。



 まだ昼には早いのに腹減ってる。




 あ! ご飯食べてない。スリップを手に入れた時のなんか長い名前の実からだった気がする。ドタバタしてて忘れてた。


 よく平気だったな。あの実お腹を満たすとかの効果もあったのかもなー。


 とりあえず、さっさと食べよ。



「…………ない。なんも食うもんがない!」




 死体は全部ネアにあげちゃったんだ。少し残しとけばよかった。仕方ないし、森で食べれそうな獲物を狩ってこよう。







「ピャッ!!」


 鹿の親子がおる。かわいい。


「でも腹減ったからごめんね。美味しく頂くから許してねー」



「ピャーーーッ」


 そういや、魔物なのか普通の動物なのか、どういう扱いなんだ? 鹿に詳しければ分かるかもしれん。まぁ、なんでもいいか。



 なるべく可食部を減らさないように、ナイフでやるしかない。混沌魔術は打撃みたいな感じだし。




「【スリップ】からの、【踏み込み】」



 親鹿を転ばせて頭にナイフを突き刺し、切り払いながら引き抜く。


 相変わらず、このナイフ切れ味良すぎ。手入れとか分からんし、してないけど凄いなー。



「【サイドステップ】」


 痛かったのか暴れだした。角を振り回してる。角があるからオスかな?


 真の漢は顔面刺されただけじゃ倒れないってか。……何言ってんの、俺? 腹減って頭が回らん。



「死ねい」



 スパン!


 いや、切れ過ぎ。首チョンパできちゃったやんけ。子鹿の方も殺っとこう。


「【踏み込み】」


 スパン!


 よし。飯じゃー!!



 向こうから水の音がしてたから、たぶん川がある。そっちでちょっと早めの昼飯にしよう。





 静かで綺麗な川のせせらぎ。それを傍目に木の枝に死体をかけて血抜き作業。並行してサバイバルな火起こしをする。


 パチッ


 火が点いた。火の魔法とか、便利な魔法が欲しい。混沌さんは利便性なさすぎて……



 さて、血が抜けたみたいなので、内蔵を取り出して適当に掘ったとこに捨ててく。



 一応、他の動物とかが寄ってこないように、血抜きをして血溜りになってるところは土をかけて誤魔化してある。


 そして、皮を剥いでいき、頭部を外す。そんで肋骨を半分に切って分ける。最後に足を切断し、胴体の肉を部位ごとに切り分ける。



 適当な木の枝で串焼きにしよう。




「安らぐな〜」







 いい感じに焼けてる。


「いっただきまーす」


 ウマウマ。なかなか美味ですなー。


 モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ


 食った食った。


「ごちそうさまでしたー」



 骨を埋めて、火は川の水で確実に消して、よし!



「っ! あ、が、腹が……気持ちも悪い」


 吐きそ、あ、


 オロロロロロ


 力が抜けて………………





 











 ハッ! 死んだ? まじかー。王都からやり直しじゃん! それにしても、なんで死んだんだろ?


 リアルで昼食べながら調べてみよ。


 ログアウト!


 視界グルグル〜。

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