13話 準備と近衛騎士団
やり遂げたので、窓から脱出!
「ボス♪ お疲れ様♪」
「上手くいったよ」
「流石♪」
さて、漸く下準備は終わった。
「一旦〘火鼠の牙〙のアジトに戻って作戦を立てようか」
「そうですね♪ その途中で使えそうな小道具も揃えましょう♪」
「おっけー」
「こんな大通り普通に通っていいのかい?」
「誰も外套を着て仮面もつけてるヤバそうなやつに話しかけませんよ♪」
確かに!
「げっ! 店主が旅行に行ってて休みみたいです♪ 」
「しょうがないね。他を当たろう。」
「残念ですけど、ここぐらいしか物騒な小道具を置いてある店なんてありません♪」
ありゃりゃ
「小道具なしで頑張ろうか。あ!」
「? どうしました?」
「異界人の復活する石みたいなのがあったんだよ。ちょっと更新してくるね」
「はーい♪」
先に気づけてよかった。うっかり死んだら前の村からになるとこだった。
――PIPI
『リスボーン地点が更新されました』
ヨシ!
「さて、アジトに戻ろうか」
「そうですね♪ そろそろ21時ですし、眠くなるまでにお城落としちゃいましょう♪」
時間の単位は共通なのか。
「ねえ、知り合いかい?」
「あれは近衛騎士団ですね♪」
「え? そんな連中がアジトにいるのはまずくない?」
「きっと皆お縄にかかったのでしょう♪」
曲がり角からアジトの方をひょっこりして見てる俺たち。せっかくここまで来たのに捕まったらユニークスキルが解放出来なくなる。
隠密先生が助けてくれるはず。こっそり戦略的撤退だー!
「そこにいるのでしょう? 親玉さん?」
気づかれた!? 隠密先生しっかりしてくださいよ!
いや、俺じゃなくて迷子ちゃんのことを言ってるのかもしれん。まだ様子見で……
「そこの角に隠れてるお二人さんですよ」
はい。パレてた。どうしよう
「ボスは声をかけてきてる団長を相手してください♪ めちゃくちゃ強いですから、時間を稼いで待っててください♪ 他を片付けてすぐ行きます♪」
そんなに強いんだー。時間稼ぎぐらいならできるかな? 避けるのは
「わかったよ」
「貴方が相手ですか。近衛騎士団団長を任せられている、エルンスト・ハイム・サンセルです。よろしくお願いします」
紺色の髪と瞳の真面目系イケメン。立ち振る舞いが貴族っぽい優雅な感じだ。
……それが分かる俺も教養があるのでは?
冗談はともかく、よく考えたら、一国の騎士団長に今の俺がどれだけ通用するか試す良い機会かもしれない。
時間稼ぎよりも、倒す気でいこう。
剣を抜いてナイフを構える。
「ボクは名乗らないけど、勝たせてもらうよ!」
先手必勝! ただの振り下ろし!
「ッ!? 【バックステップ】!」
は? 意味わからん。相手の手が動いたと思ったら俺の剣が斬られてて地面に落ちた。斬るとき金属音もしなかったし。
「もう終わりですか? では、私の番です」
「【サイドステップ】!」
「【輝閃剣】」
危なっ!サイドステップの最大距離でギリギリ避けれる範囲攻撃を街中でぶっぱなしやがった。しかも振り下ろしだから範囲は比較的狭いのにこのザマ。地面に大きな穴も線状にできてる。
「騎士団長ともあろうお方が街を壊してもいいのかい?」
「私達はあくまでも“近衛”騎士団ですから、王族をお守りするのが使命ですので」
「民を守らなきや王族がいたって無意味だと思うけど?」
「優れた王が居れば国の立て直しなど容易ですから。民は自然と他国から来るでしょう」
こいつ、狂ってやがる。話の通じる相手じゃないな。
……かと言って武力でどうにかできそうもない。この実力差はレベル差か、 技量か、はたまた両方か。
とりあえずは時間稼ぎに徹しよう。むり。勝てる気しない。どうせ時間稼ぎするなら王城の方に行って、隙あらば王城ひっくり返してやろう。
三十六計逃げるに如かずとも言うしな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます