10話 条件1つ目と再出発
今はキャシーちゃんは置いといて、目の前のやつをどうにかしないと。でも戦う前に色々聞き出したいな。
「さっき闇ギルドって言ったよね、冒険者ギルド以外にもギルドってあるのかい?」
「ん? あるよ♪ 暗殺者ギルド、生産ギルドに、商業ギルドとか。闇ギルドは、非正規のギルドのことだよ、勝手に名乗ってるんだ♪」
ん?今の言い方……
「もしかして君闇ギルドのお偉いさんだったりするかい?」
「よくわかったね♪ そうだよ♪ ワタシは三大闇ギルドの1つ、〘火鼠の牙〙の長をやってる、ヌアテだよ♪ どう?ウチに入る気になった?」
長が直々に出っ張ってくるかー
「もし入ったら〘レフテスの楔〙はどうなる?」
「それは勿論、ウチの傘下になるよ♪」
なるほど。やっぱり俺が上にならなきゃいけないみたいだ。なら、ここでこいつに勝って〘火鼠の牙〙とやらを従えときたいな。
「君のギルドの活動目的は?」
「ただチンピラを集めてるだけだよ♪ 統率されてないとめんどくさいことになるからね♪」
「ならボクの傘下にならない?」
「別にこだわってる訳じゃないし、お兄さんがワタシに勝てたらいいよ♪」
交渉成立! 血の気が多いのはご愛嬌。やることは単純になったな。やったる!
「じゃあそうさせてもらうよ」
動いた。攻撃が来るっ!
「【針山】♪」
「【バックステップ】!」
さっきまでいた地面から巨大な針が大量に生えてきた。辛うじて躱す。
距離を取っていては勝てそうにないが、それくらい読んでいて、誘ってるのかもしれない。まあ、遠距離攻撃がないから結局突撃しかないんだが。
右手でナイフ、左手で両手剣を持つ。
針山を撃てないように転ばす。
「【スリップ】」
ステン
一気に詰めて、剣を顔の横の地面に突き刺す。
「ボクの勝ちだね」
「ざんねーん♪【蠍の演舞】♪」
「っ!? 【サイドステップ】!」
倒れていたはずが体が霧散し、背後から大量の針が色んな軌道を描いて迫る。
「今の避けるんだー。いい反射だね♪」
「さっきまでいたやつはなんだったのかな?」
「分身だよ♪ 本当は触れないはずなんだけど、なんで転んだんだろ?」
触れないのかよ。【スリップ】先生は触れないものでも転ばせれるのか……凄いな。
それにしても仕切り直しか……キツいな。
「ねぇねぇ、お兄さん♪ そのスキルってなんでも転ばせれるの?」
「そうみたいだね」
「…………お兄さんの実力も分かったし、傘下になってもいいよ♪」
「何か企んでる?」
「1つして欲しいことがあってね♪ それしてくれるんならって感じで♪」
「何をするかによるかな」
「お城をひっくり返して欲しいの♪」
ファッ!?
……でもいけそうだし、それで王族が死んで、町が落ちた扱いになるかもだし、いいことずくめかも。
「分かったよ。ボクがやったとバレないように協力してね」
「うん♪ 任せて♪ ワタシたち〘火鼠の牙〙はお兄さんに従いまーす♪」
『【支配】のレベルが上がりました』『【深化】の解放条件の1つを満たしました』
お? やっとだー!
早速見てみよう。
スキル
【深化】ランク:ユニーク
より深く、どこまでも深く、何よりも深く
君ならば、かの■■■■■にも届く
さあ、堕ちよ
〖解放条件〗
●種族:人間 の住民100人を1人で殺す82/100
●村、町を合計3つ滅ぼす2/3
●特性:悪人 を500人従える500/500
●特性:善人 の王族を1人殺す0/1
●上記達成まで警察機関に捕まっていない
満たしたところまでしか表示されないみたい。見やすくていい。この調子ならもう少しでいけそうだ。ついでに支配の方もみよう。
スキル
【支配】ランク:レア レベル:3
服従した者を支配状態にする。
支配状態の数だけパラメータ上昇(微)
支配状態にある者の場所を探知できる
わかりやすい説明書きだ。他のスキルの奴とはちがう奴が作っただろ、絶対。
「そうだ、なんでこの周りに人が居なくなったんだい?」
「人避けの結界を使ったからだよ♪」
そんなのもあるのか。
「それより、早く王都に来てね♪ 待ってるから♪」
消えた。さっきのも分身だったのか。分身からスキルが撃てるのはずるいな。
いい加減、王都行くべー。
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