4



その後、私たちが真っ先に向かっていった先は観覧車。


昼間の観覧車はすいていて、すぐに乗ることが出来た。




いつもの4人でひとつの観覧車、比嘉くんと渚くんでその後ろの観覧車に乗った。


鞠は後ろの観覧車に手を振ったり、景色を見て、わー!!とはしゃいでいた。




「あの二人、ひとつのゴンドラの中に押し込めちゃって大丈夫だったのかしら」




そう緑が佐藤に聞くと、佐藤は「大丈夫じゃない?」と軽く返して後ろへ手を振った。


鞠にも佐藤にも手を振り返してくれる二人、とてもいい人だなぁ。


ちゃんと景色を見れているだろうか。




「まぁなーぎんはちょっと口悪いけどぉ、ひがっちは大人だし大丈夫っしょー」


「早速マリモのつけたあだ名で呼んでるし」


「鞠はね、鞠はねぇ、二人も仲良しになってくれたら嬉しいなーって思うよー!」


「こら鞠、跳ねないで、揺れる」




私の隣には佐藤が座っていて、鞠につられて佐藤まで騒ごうとしちゃうんだから。


こんな狭い空間で、なんて賑やかなんだ。




「ほらマリモ、もうすぐてっぺんにつくわよ」




そう教えてくれた緑の言葉を聞いて、鞠はガラスに張り付く。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る