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「……この敬語がよろしくないのでしょうか?」
「敬語って距離だからねぇ。もし敬語のままずっと話してたのなら、距離置かれてるままって思われてたって可能性もあるんじゃなーい?」
比嘉くんは静かに頷くと、私たちを見回した。
「そう、かも…………しれません」
「なんでくっつけるのよ」
「いや、なんだか恥ずかしいです」
「恥ずかしいの基準」
すると、てとてとっと近寄ってきた鞠が、比嘉くんの前に立つ。
「えと、じゃ、じゃあ……」
「はい……?」
「ひ……ひがっち!!」
そして突然、あだ名を付け始めたのだった。
え、今決めた?
「ひがっち……?」
「比嘉くんはひがっち!で、渚くんはなーぎん」
「俺なーぎんになった?」
ひがっち、なーぎんと鞠は顔を合わせて、満足げにしている。
「ふたりもお友達ー!!」
えへへと嬉しそうに笑う鞠に、比嘉くんもふわりと笑いかけた。
「じゃあ、僕も敬語取れるように頑張らないとですね」
「さっそく敬語なんだよなぁ」
「今日は敬語取るのに慣れていこう!」
そうやって、私たち6人は遊園地に入って行った。
鞠もちょっとずつ比嘉くんに対しての緊張が解けてきたのか、話しかけるようになってきて、とてもいい感じだと思う。
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