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「態度が悪かったなら……ごめんなさい」
「いや、俺らに対して口数減るよなぁって思っただけ。アンタの今の俺らの評価はどうなってんのかわかんねぇけど、そこんとこどうなの?」
「……まだよくわからない。少なくともこのグループに来るなとは今のところ思ってないわ」
緑がその判断をするなんて、結構いいラインじゃないだろうか。
佐藤と鞠も揃ってニマニマして緑を見ている。
「それってけっこーいい評価だよねぇ?みどりん」
「普段なら避けてるところだもんねぇ?みどりん」
「うっさい!」
緑は男の人に対してすぐ不信感を持ってしまうけれど、こうして佐藤が受け入れられているのは信頼故だと思う。
男だからといってみんな排除するわけではない。
条件をつけて、それをクリアしていれば受け入れるくらいには。
「仲いいねぇ。あん中に俺ら入ってくんだって。どんな気持ち?比嘉くん」
「え?微笑ましいですよねぇ」
「4人の感想かよ。まぁ俺も、あの4人はいいなって思うよ」
太陽の沈みゆく中、6人はそうして話しながらゆっくりと帰っていく。
夕焼け空から夜に近付くプルシアンブルーにかけてのグラデーションが、とても美しく見えて、こんな時間が長く続けばいいなと、私も笑みが零れた。
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