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けれど、ふと思う。




「観覧車って4人乗りとかじゃなかったっけ?」


「あ」




このままだと二人入れなくなってしまう。




「そこのバカップルがひとつに乗って、もうひとつに私たちが乗る。よし、これで解決」




緑がそう提案する。




「あーし…………俺はそれでもいいけどぉ」


「い、いや、ここは3と3で分かれよう」


「なんでなの和香ぁ!!!」


「ちょうどいいから」




佐藤からの大ブーイングを食らったけれど、これが今のところ一番いい案じゃないだろうか。


まぁ男女分かれちゃうのが一番無難だとは思うけれど、そうするとこれまでの4人組が離れちゃうんだけどね。


主に佐藤が。




「2回乗ってもいんじゃね?」




渚くんがそう提案すると、私と佐藤に目を向ける。




「1周目はお前ら二人きり、こっち4人で回って、2周目は女子らと佐藤のいつもの4人で周りゃいいんじゃね?」


「天才か」




佐藤は真剣な表情でそう呟いて、私に抱き着いてくる。


なんでこのタイミングなのよ。




「それならどう?緑サン」


「な、なんで私に聞くのよ」


「俺らのことまだ警戒してるのが君だから」




そう渚くんが緑に首をかしげて言う。


緑は表情を濁らせて顔を背けた。




緑は仕方ない……男の人にいい印象を持っていないから。


この2人のこともまだ信じられていないことが滲み出てしまっていたようだ。




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