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それから比嘉くんは私たちとともに一時間ほど付き合ってくれて、連絡先を交換してその場はお開きになった。
比嘉くんという男は物腰柔らかくて、気遣い屋で、終始佐藤が私の手を握っていた。
そんなことしなくても大丈夫だよとは言ったのに、ここぞとばかりに甘えてくるのがさすが佐藤だ。
私の頼んだクリームソーダのアイスも食べちゃうし。
渚くんはというと、こういうだべってるような集団は合わないかと思いきや、どうやら佐藤に興味深々なようで、意外とこの集団に溶け込んでいた。
たまに口が悪くなるのにも慣れてきた。
「そーだ、今度観覧車リベンジいこうよー!」
そう切り出してきたのは佐藤。
渚くんが首を傾げる。
「リベンジ?」
「前に動物園に行った時、遊園地もあって。回ろうとしたけれど時間が無くなって……」
私は佐藤と観覧車乗ったんだけどね……と思ってもごもごしていると。
「だから今度は観覧車いこーってはなしてたのー!ねぇ!」
「うん、そう、話してたの」
佐藤が続きを言ってくれた。
私隠し事向いてないな。
いや、隠す必要あるのかもわからないけど……なんとなく、二人の時間だから……。
「渚くんと比嘉くんも行けそうなら行こ……?」
おずおず、鞠がそう尋ねる。
「俺は大丈夫ですよ」
「俺も。絶叫系とか回りたい」
「渚くんは絶叫大好きな人だったのね!」
鞠が楽しそうにはしゃぐ、そんな帰り道。
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