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鞠はぽーっとして、その時のことを思い出しているようだ。
そしてその後ろから現れた緑が鞠の頭をつつく。
「なにつっ立ってんのよ、こんなところで」
「はっ!!みどりん!!」
ハッとして振り返った鞠はまたいつも通りの鞠だった。
さっきはぼーっとして見えたけど、返し方でも考えてたのかな……。
「鞠に傘を貸してくれたイケメンに付いて話してたの」
「傘借りたの?その黒い傘のこと?」
「どうやら比嘉くんていう人じゃないかって話に、今なったの」
もすもす、ポテトを食べていると、横から緑の手が伸びてきて、ポテトを連れ去っていく。
ちょ、おい、緑さん。
それ私のポテト。
「なにそのイケメン、私も見てみたいわ」
「比嘉くんならよく図書館に行くみたいだよ」
渚くんがごちそうさまをしながら情報を出してくれたおかげで、かなり近づきやすくなったのではないだろうか。
「え、じゃあマリ、明日傘持って図書館行く……」
「それはちょっと邪魔にならない?」
「俺たちの方で見かけたら聞いてみるよ。鞠ちゃんに傘貸したか」
「あーし……俺も見かけたら聞いとくわ」
「佐藤はまだギャルが抜けてないのね」
傘を毎日持ってくるのは邪魔になるだろうから、とりあえず一番家の近い私の家に置いておいて、佐藤と渚くんが比嘉くんを探すことになった。
鞠も図書館に行って探してみるそうだ。
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