after story 6
1
梅雨に入り、雨の日が続く。
あれから、渚くんは私たちとよく会うようになった。
「湿気でべとべとする~スカートにして来ればよかった……蒸し暑っ……」
「ギャルやめたんじゃなかったの?」
「だってスカートのが快適だったんだもーん」
今日も今日とて自由な私の彼氏、佐藤氷。
彼の話し方は未だギャルが抜けきれないままであった。
「何、スカートってそんな快適だったわけ?」
ファーストフード店でポテトをむしゃむしゃ食べて鞠と緑を待つ私たち3人。
佐藤と渚くんの仲が良くなってきたことによって、私もよく渚くんと話すようになってきていた。
「ジーパンより軽いし、風通しいいし、夏はあっちがいいわ」
「へぇ、さすが元ギャル。……元だよな?」
「いや、佐藤まだたまにギャル化することあるから」
「女子会すんのに男一人混じってんの浮くじゃん?」
「お前入ってて女子会って言えんのそれ?」
「わからん」
なんて雑談をしながら外を眺めていると、黒い傘をさした鞠がぱたぱたとこちらに向かってくるのが見えた。
外はしとしとと雨が降っていて、走ってくるその姿が危なっかしく見える鞠。
……あの鞠が黒い傘を?
それにそんなに急いでどうしたのか。
お店の中に入ってきた鞠は私たちに気付いてまた、ぱたぱたと駆け寄ってくる。
「どうしよう、のど!!!」
それは困ったようなかわいい顔を向けて来たのだ。
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