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なんというか渚くんは、氷や鞠ともまた違った自由さのある人なのかな?という印象だ。
気付いたらどっか飛んでいっちゃってるような自由さじゃなくて、どこにでも飛び込んでくるような自由さ。
澄ました瞳で静かそうに綺麗に佇んでいる割には、結構ズバズバと切り込んでくるし……氷と緑を足して2で割った感じ。
とすると、意外と私たちとの相性は悪くなかったりするのかもしれない。
「一応聞いておきたいんだけど……私たち4人のことは知ってた……?」
「あぁ、細かくは知らないけど……佐藤がいつもグループで集まってんなぁ、仲良いなぁって程度で、あんま他の人たちは知らないけど、一応認識はしてた」
私たち自体には興味はない感じか……?
そうすると緑にとっては都合がいい。
あの子は媚びられたり馴れ馴れしくされるのを嫌うから、それくらい興味がない方が気が楽だと思う。
「あ、でもあの子いるでしょ。えぇと……マミちゃん?」
「誰」
「いやたぶんそれマリリンじゃない?マだけ合ってるとするなら」
「鞠のこと知ってるの?」
いや、名前もあやふやなのに知ってるか聞くのもおかしいかもしれないけれど。
「そうそう、マリちゃんか。なんかすっごいちょこまかしてる子」
「ちょこまか」
「ちょこまか」
確かに、あの子はちょこまかしている。
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