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「もちろん和香が愛してくれてるのは知ってるけど」


「愛してるなんて言ったっけ?」


「ぶふっ」




また笑われてしまった。


氷はピキピキっと凍ってしまったし。


ちょっと意地悪しすぎたかな。


だって人前でそんな恥ずかしいこと言わないで欲しいし……言うとしても氷にだけ、がいい。




「えぇと、なんかこんな恥ずかしいところを見せてしまってすみません……。佐藤、説明求む」


「……、……あぁ、ごめん」




しょぼくれてる氷がその男の人をチラッと見てから私に向き直る。




「今日声をかけてくれたなぎさくんです」


「ども、渚です」




ごめん、すっかり氷がナンパしてきたんだと思い込んでたよ。


ナンパされてきたんだね(?)


彼氏が男にどうやらナンパされてきて、そのまま私達の元まで連れてきてしまったらしい。


連れていかれるならまだしも連れてきちゃうのがさすがの佐藤。




ちなみに緑と鞠は少し遅れて来るからまだ来ていない。




「どうも、……和香です」


「俺の彼女の和香ちゃんです」


「まじで彼女さん?」


「なんでちょっと疑われてるの?」




そもそもどんな経緯でこの人は氷に声をかけたんだろうか?


疑われてるのかわかんないけど、なんでちょっと確認されているんだろうか。


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