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緑からの視線をじっと感じてから、フッと笑う気配を感じて顔を上げた。
首の後ろに手を当てて、なぜだかニヤニヤと笑っている緑に、不気味さが込み上げてくる。
なぜなのか、隠されきれないほどの笑いが一体どこにあったというのか。
「へぇ、ふぅん。いいわよ和香、その調子でいこう」
「な、なにが」
「お邪魔しちゃったのは私の方だし。あとは二人でのんびり登校してよ。また後でね」
じゃあね、なんて言って颯爽と一人で先を急いでしまう緑に、私は呆然とその背を眺める。
なんで……一緒に登校すればいいのに……。
氷はそんな緑の背に、両手を合わせて拝んでいた。
こら、こんな道端で友達にお祈りするんじゃない。
「みどりんマジ神」
「私は信者にはならないからね」
「
「それ知られたら緑にボコられそう。精神的に」
そんな戯言を交わしながら、私たちも遅刻しないように、歩を進めていった。
そして授業を受け、お昼休み。
それは突然訪れた。
私たちはお昼に集まる時、大体テラスに集まるのだけれど。
「……またナンパしてきたの?」
佐藤の隣には、男が一人。
彼氏が男をナンパしてきた。
……そういえば2人くらい男を増やして男女比をどうちゃら、なんて話をしていた気がしないでもないけれど。
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