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ちょっと、ほんとに、暑い……!!


体がくの字に曲がったことで頭突きが届かなくなったじゃないか!!




「ちょ、氷、起きてってば」


「すー、すー」




何の拷問だろうか。


微かに吐かれる息が首元に当たっていてくすぐったい。




もぞりと動いたその体がようやく離れるか?と期待をさせておきながら、首元に頭を埋め込まれてさらに身動きがとりにくくなった。


なんてことだ、私は抱き枕じゃない。




体を揺らすも、転がりたくても、その両腕ががっしりと私を雁字搦がんじがらめにして離さないから、徐々に体から頭まで熱くなってきていた。


ほんと、喉乾いたし、逆上せそう、誰か助けて……。




仕方がないから首に埋められている頭にぐりぐりと側頭部を擦り付けて起こす作戦に出る。


ピクリと一瞬反応があったので、もしかしたらこのまま起きてくれるんじゃないか?という希望の光が見えて来て、私はさらに頭を擦ることにした。


摩擦で痛める前に起きてくれると嬉しいんだけど。




すりすり、すりすりと擦り始めて数十秒、首元に変化が起きて私の肩が跳ねる。


ぬるり、湿り気を帯びたものが首を行き来するのを感じた。


ま……って、ただでさえ暑いのに、また暑さが増してしまう。


ていうか、佐藤、アンタ。




「起きてんならさっさと離し……っ、て、ちょっと舐めないで暑い!」


「ん……寝起きに和香が甘えてくれたから、おかえし」


「アンタが巻き付いてるから動けなくて頭しか動かせなかっただけで、甘えてなんてないからっ」

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