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「和香……?」
「言ったでしょう?丸ごと受け止めるって」
「……」
「怖いならその度に私のところに来ればいいの。考える前に頼ってよ」
全然、今のままじゃ足りないんだよ。
私だって怖い、怖かったよさっき。
苦しんでる佐藤を見ても、どうしていいかなんてわからなくて。
でもね、もう頼れる先は私一人だけなんかじゃないんだよ。
「佐藤はもう、一人で抱え込まないんでしょう?」
「……」
「だから飛び込んできてくれたんでしょう。覚えてる?」
呆然と話を聞いていた佐藤が、ははっと乾いた笑みを零してから、首を傾げる。
「なんか、俺ばっか甘えてる気がする」
「佐藤にはそう見えてるだけ。そんなこと言ったらマリモなんて甘えん坊の塊だけど」
「え、マリ甘えん坊……!?」
「甘え慣れてない奴がGOIVAのチョコレートケーキなんて高いもん要求するわけがないでしょう?」
「鞠はスキンシップ激しいしね」
呆れたような緑が、腕を組んで鞠を見つめる。
それを言ったら緑だって新作のフルーツタルト要求してたけどね。
ちなみに新作タルトは次の週末にまたみんなで食べる予定になっている。
「和香だって私だって、アンタに甘えてるところはあんのよ。頼れるって意味でね」
「みどりん……」
「アンタが怖いなら話聞くし、背中も押すし、そんなもん甘えのうちにも入んないわよ」
「……みどりんマジ俺よりイケメン……」
そんな佐藤に、私は心の底から強い同意しか起こせなかった。
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