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その言葉に、「お?」「佐藤が息を吹き返した?」なんて、鞠と緑が顔を覗き込む。
「のーひんけつ、ぽい」
「NO貧血?」
「アホか。脳貧血でしょ」
鞠のアホっぷりに、また微かに佐藤の肩が震えた。
これ笑ってるな、意外と心の余裕はあるようだ(?)
「脳貧血ってことは血圧が一時的に落ちたとか、そういうこと?よくあるの?」
「………………まれ」
「稀、ってことは経験はあるってことか」
一応スマホ片手に待機していた緑は、大丈夫そうか?とポケットに仕舞う。
佐藤の腕の力が徐々に抜けてくるのを、私は肌で感じていた。
落ち着けるように、緩やかに彼の頭を撫でる。
そんな私の頭もなぜか、鞠に撫でられている。
「マリモはなんで和香の頭を撫でてるの?」
ついに緑が私も謎だと思っていたこの行為に切り込んだ。
「え!?だ、だって、さとちんはのどが撫でてるから……」
「え?」
「のどもちょっとキョドってたし、マリもなんかソワソワしちゃって……!!」
「ソワソワしてたから待機ついでに撫でてるのか」
「ホントは抱き着いてよしよししたいのを我慢してるんだよぉっ!」
なるほど、鞠も心配してどうすればいいのかわからなかったらしい。
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