3



チョコレートケーキは外側がテカテカと麗しくコーティングされていて、なかのスポンジもクリームもチョコレート尽くしだった。


トロリと濃厚で苦味のある甘さが広がり、文句なしのティータイムの時間は早くも過ぎ去ってしまう。




「ところで、アンタたちどこまで進んでんの?」




突如としてぶち込まれた緑からの疑問に、私はストロベリーティーで噎せてしまう。


な、なに急に!?


そういうのせめて彼氏のいない女子会とかで聞かれるもんなんじゃないの!?


彼氏の交じっている女子会というのもなかなか珍しいものだけれども。




「え~、みどりんそれ聞いちゃう~?」




にやにやとしている佐藤はどうやらこういう手の質問にもノリノリのようだ。




「ひゃー!まってまって、マリまだそんな、心の準備が出来てないよぉっ」


「なんでマリモの方に心の準備が必要なのよ。ねぇ和香?」




怪しい笑みを向けて来る緑に、私は佐藤の方に顔を向けて逃げようとするけれど、ダメだ、こっちも私の反応を楽しむようにニタニタと顔を向けている。




「え、ちょ、別にそこまで進んでるわけじゃ……」


「へぇ?」


「つ、付き合ったばっかり、じゃない」


「まぁその前からキスしちゃってんだけどね~」




そう暴露してしまう佐藤のスネを机の下で蹴ると、悶えるように机の上にゴチンと額を付けて痛みに耐える佐藤。


だから、なんでそんな、暴露してしまうんだ、ばか……!!

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