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「みどりんのおうちもキレーだから、めっちゃ映えるぅ!!」
パシャパシャと何枚撮る気なのか、鞠と佐藤で様々な角度から写真が撮られていくチョコレートケーキ。
そんな二人をじと目で眺める私と緑は、二人で紅茶を淹れていた。
少し甘酸っぱいストロベリーティーの香りに、鼻腔をくすぐられる。
緑の一軒家の家の中も、シンプルな白基調の中に木目調のアクセントで統一されている部屋もオシャレだけれど、飲み物やお皿までオシャレだ。
ケーキフォークの色がローズゴールドなんてどこで買ったのか、見たこともないんだが。
「母がこういうの好きで、こだわるのよね。」
「うん、すごく可愛いと思う」
「私には似合わないけどね」
ふっと嘲るように笑う緑だけれど、私はそんなことはないと思う。
「緑も綺麗だから、似合うけど……嫌、なの?」
「……ふふ、和香にはそう見えるのね」
ゆったりと私の頬に手を当てて小首を傾げる緑に、私は心の中で「イケメンが発動した……!」と口をアワアワと開閉する。
「あー!みどりん!あーしの和香に手ぇ出さないでぇ!!」
パシャパシャと写真を撮っていたはずの佐藤の顔が、システムキッチンに居る私たち二人に向いていた。
別に浮気とかじゃないのに、ビクッ!!と肩が跳ねる。
そしてちょっと、その独占欲に心が喜んでしまっている自分もいるのだ。
『あーしの和香に手ぇ出さないでぇ!!』
…………『あーし』だけれど。
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