第3話
「うーむ」
泣く子も黙る魔王軍のオレ様。
バチュリアスは、このダンジョン―【ふかいやみ洞窟】内にある自室のベッドで居心地悪く寝転んでいた。
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【ふかいやみ洞窟】
魔王軍のダンジョンのひとつ。
土に覆われたその洞窟は、いったい中はどこまでつづくのか…。
一度足を踏入れば簡単には抜け出せない、その終わりの見えない深い闇のような恐怖に冒険者たちは立ち向かわなければならない。
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暇だ…。
やることが無い。
コーヒーでも淹れようか…?
ダンジョンの中ボスは365日24時間勤務である。
しかし、そうは言ったものの。
もちろんだが冒険者たちが毎日、何組もひっきり無しに来るわけでない。
多い時で1日に2、3組。
少ない時ならば1日中1組も来ない日もざらにある。
ダンジョン勤務のモンスターたちは冒険者がダンジョンに入ってきて始めて仕事になる。
では、冒険者のこない時間帯にダンジョンの中に居る我々モンスターは何をしているのかというと…。
その間にするべき細々とした仕事もあることにはあるのだが、基本的には待機なのだ。
そして、そのような細々した雑務のような仕事を実際にやるのは部下であるザコモンスターたちであり、中ボスやボスなどの役職の者になってくると、それらの指示を出す側なのでいっそうやることは無くなる。
なので中ボスである、このオレはダンジョン内に設けられている中ボス専用の自室でベッドの上で時間をもてあましている。
ここまで話を聞いて拍子抜けした者もいるかもしれない。
ダンジョン勤務を365日24時間勤務などと言うのは言葉のトリックで、実質稼働している時間はその内の数時間ではないか、よく聞いてみるとそんなにキツイ環境では無いではないか…と思っただろうか?
しかし、もう少し我々の立場になって、特に中ボスのオレの立場になって考えてみるがいい。
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