第2話

まず始めに。

ダンジョンとは、基本的には365日24時間、常に稼働していなくてはならないものだ。


それもそのはず。

冒険者達は、晴れの日だろうが雨の日だろうが、朝だろうが昼だろうが夜だろうが、何時如何いついかなる時でもダンジョンを攻略しようと息巻きて、ずけずけと訪れて来やがる…。


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冒険者ぼうけんしゃ

勇者を中心とした、勇者と共に旅する色々なジョブの者たちの集まり、または1人、の総称。

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勇者ゆうしゃ

魔王討伐を目指し旅に出た者たち。

またジョブの1つ。

片手剣や両手剣など、その種類は人により様々だが、主に剣を使って戦うジョブ。

この世界には勇者は星の数ほど存在する。

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そのためオレたちダンジョンモンスターたちは冒険者が来たときには必ず対応できるようにダンジョンに在中していなければならないのである。


冒険者達が来て、だれもモンスターが居なかったらそれはただのピクニックだ…。


ダンジョン勤務のザコモンスター達にはシフト制がとられており、常に一定数のモンスターがダンジョンに配置されるようにシフトが組まれ、回されている。


それは決して楽な仕事では無いが、週に2日はちゃんと休みが貰える契約になっている。


恐怖の魔王軍と言えどもそこらへんはホワイトなのだ…。


昨今、魔王軍志願者の数も減りつつあるしな…。



しかし、中ボスやボスといった固有モンスターとなってくると話は別である。


固有モンスター。

つまり、AとかBとかCとか、複数存在しない、替えがきかない存在である我々は、常にダンジョンに存在し、いつ現れるか分からぬ冒険者たちを待ち構えていなくてはならないのだ。




――つまり我々、中ボスやボスにとって、ダンジョンとは基本的には365日24時間勤務の拘束率が完全にバグっているヤバすぎる職場なのである。

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