第7.5話

ふと何かに気付いたかの様に男は窓までかけよった。

室内には街中を見渡せる大きな窓があり傍には砂時計のようなだけど中には砂とは違う黒い液体がぼとぼとと落ちていた、男は煙草に火を付けた。

そしてその中の液体の一液ポトリと落ちた時にタイミングよく部屋に誰かが入ってきた。

「頼まれた物をお持ちしました。」

「ありがとう」

男は吸い殻を灰皿にもみ消しまだ青年になり切れてない少年の男から書類を受け取った。

パラパラと書類をめくる音がする。

「何だか嬉しそうですね」

少年は男の口元が妙に上ずってるのに気づいた。

「すまない、変化がおとずれたみたいで俺は嬉々としていた」

男は書類を読み終えるとパタンと書類を束ねた。

「内容は充分だ、引き続き作業をすすめてくれ」

読み終えた書類を少年に渡して男はさっきの砂時計をひっくり返した

「…中に入ってるのは何ですか?」

「これか?何の変哲もない黒い液体だ。俺は炭時計と呼んでる。」

「まためずらしい物をお持ちなんですね。」

少年は興味を示し男から手渡された”炭時計”をしげしげと眺めた

ふいに少年は時計越しに窓から見渡せる街並みに気付いた。

「変化、ですか。確かに街の挙動が変わってますね」

「あぁ、きっとあの子に何かが起きたんだ…」

室内で二人は横に並び街を見下ろした。

男の名前は黒谷豊二十三歳、このビルのオーナーの息子であるが

彼の素性はそれでは終わらない。

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