第5話

「拒色症」と言う言葉を俺が口に出してから彼女の様子はおかしかった、明らかに知っているんだろう。

「何で言えないんですか?」

「本当にそれはまだ何も言えないから」

「気になるじゃないですか」

「今は気にしないで頂戴」

最初の質問からさらに疑問を重ねてもこんなザマだった。

仕方ねぇ、と俺は肩すかしをくらったので諦める事にした

こんな小難しい悲しで彼女とコミュニケーション取りたくないし、そうもっと歳が近い者同士らしいコミュニケーションが欲しい。

「わかったよ、そういや先生勉強得意そうだな~」

思いついたのが勉強の話に切り替えてみた。

「いきなり…まぁ出来なくはないけど」

「じゃぁ今度中間テストがあんだけど、先生も受けてみない?」

「あたしが?そんな事勝手に決めていいの?」

「先生自らお願いしたらいけるんじゃない?」

「はぁ…」

「で、俺と点数競い合いをしてして見ないですか?」

思いついたコミュニケーションとしてテストの点数の競い合いあいだった。

自分で言うのも何だがそこそこの点数を取れる自信はあった。

「で、どっちかが買ったらごほうびを上げる」

「ごほうびって…変なの」

少しだけ彼女は口元を緩ませてくすりと笑った。

今までの緊張感に包まれてた空気が少しだけ緩んだ様で俺の提案は多分間違ってなかったんだろう。

「いいよ、受けるよ。お互いに頑張ろう」

すっと彼女は俺に握手でもする様に手を差し出してきた。

こういった言葉だけでは伝わらないスキンシップをはかったコミュニケーションはとても大好きだったので彼女と握手を結んだ後、とてもくすぐったい気持ちになった。

結局話の核心には触れられなかったけど、まぁいいか。

親父を問い詰めたらいい話だった。


そうして中間テストに向けて忘れかけていた数学の方程式やら英語の文法やら日本語読み書きを勘を取り戻すかの様に俺は授業を真剣に聞き、家に帰って机に向かった。


テストに向けて一人放課後教室の中で今日の授業で俺なりの復習ノートをつけてる時だった。

ノートに書く事に夢中になるあまり教室に入ってきた一人の生徒にまったく気付かなかった。

ノートにカラフルに重要点に蛍光マーカーを色づけてる時に一人の女生徒が話してかけてきた

「何してんの?」

「おぁっ!?」

びっくりした、いきなり目の前に大きなバストを揺らした女子生徒が現れてた。

「だ、誰だよっいきなり!?」

「君が噂のプレイボーイ君かぁ」

彼女は指先を舌でペロリと舐めて媚びる様な目つきで俺を見ていた。手首には相当高そうなシルバーのブレスレットが重厚にに光っていた。

ところでプレイボーイとはどうゆう意味だろう…しばらく考えて答えが出た。

「何だか変なニックネームついちまったもんだ」

「仕方ないわよ。学校中のすべての女の子に声をかけては断れてるんでしょ?」

「すべてじゃねぇよ、大いなる誤解だ!!」

一応最初にも言ったが俺にも好みというものはある。

女生徒は髪を弄りながら手でかき上げてこういった。

「で、次は噂の女教師さんとお近づきなんだね。」

「・・・・」

「でもさぁ~あの人は意固地な人なんだんだよね~、今までの女の子の告白みたいにいきなり突っ込んでも相手にされないよ~」

「ん?知り合いなのか?」

「わかんない」

キッパリと拒否された、彼女も先生が調べてる事に関係してるのか?憶測が頭をめぐる

「それよりさぁ…プレイボーイ君、今日空いてる?」

「プレイボーイじゃねぇよ、鮎真波斗だ。」

「ごめんごめん、あたし隣のクラスの美里馬音

「テストや勉強もいいけどちょっと遊んで行こうよ」

「いや、でもノートまだ…」

「んじゃ決定!いこーいこー」

拉致されるかのように俺は美里馬音に付き合わされる事になってしまった・・・

初めて女子の方から声をかけられた、少し金色に近い茶色い髪の毛、肩にかかるくらいのセミロングに大きなバストを強調するかのように胸元を開けて、それなりに制服をいい感じに着くずしている。

俺の手を引いて楽しそうに歩く美里馬音の後ろ姿に米国にいたころを思い出した。

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