第7話 あたしの恋人は「昨日のあたし」
あたしは、昨日の自分がいつも愛おしい。
毎日。
日記をつけている。
朝目覚めて、トイレに行き、顔を洗い歯を磨く。梅肉エキスと水を飲み、メッセージを聴いた後で緑茶を飲む。
お茶を飲みながら日記を書く。
その時必ずやることは、昨日の日記を読み返す、ということ。
昨日の日記を読み返すと、あまりにも健気で一生懸命な自分の姿をそこに見つける。自分で書いたのに自分で毎回新鮮に驚く。
いじらしくて、愛おしくて、抱きしめたくなる。
どんなに心細くても、なんとかして生きていこうとして、いつも前向きにひたむきにもがいている姿を昨日の日記の中に見つけたとき、ふと思った。
あたしの恋人は「昨日のあたし」なのだと。
こんなにかわいい人いるっ?て思ってしまう。
おめでたいヤツだといわれそうだけど。それくらい思うほど、いつもなんとしてでも前を向いて生きようとしてジタバタし悪戦苦闘する姿を「昨日のあたし」が描いている。
その姿。
誰も見てはいないけれども、けど、あの天は見ていてくれる。絶対だ。
神様はあたしのこんな姿を見ていてくれるに違いない。
そして。
人や万物や環境やまるで偶然のようにして状況をつくって、あたしを助けてくれているのだ。
そう信じて毎日生きてる。
神様はきっとこう言う。
「すごいぞ、美音。頑張れ。いや、もう充分すぎるほど頑張っている。だから無理するな。ラクに呼吸しろ。いつも見ている。」ってね。
今日のこの日記も明日の自分が読んだらまた、愛おしくて抱きしめたくなるんだろうな。
だから、あたしの恋人は「昨日のあたし」。
そして多分、アスカもハッピー君もこんなあたしを見て、神様と同じように思ってくれているのだ。
アスカはあたしの霊だからホントに大事な存在なんだ。
人の肉体は一生を一度生きて終わるけれど、その人の霊は永遠だから。
アスカ、よろしくお願いします。
そしてハッピー君、いつもホントにありがとう。
あたしがピンチの時いつも助けてくれるね。
「ママ、大丈夫だよ。ボクがついてる。」ってね。
どれだけ心強いかしれないよ。
今は2021年の夏。
東京は今コロナ感染が増え拡がって阿鼻叫喚の様相を呈している。そんな中で開催された東京五輪。
この歴史的事実もずっと後になってから様々に分析し、評価し、教訓にするのだろう。
あたしたちはそんな中で今、毎日生きている。
そう考えると、地球上のみんなが愛おしく思えてくる。
みいんな健気に一生懸命生きているんだ。
毎日を。
抱きしめたくなる。
密になるからできないけれど。
だからせめて心で抱きしめよう。
神が地球を抱くように。
コロナ禍もきっと意味があるのに違いない。
だから
危機を機会に変えて
たくましく元気に生きていこう。
元気じゃなかったら少し休んで。美味しいもの食べて。
お散歩して空や木やお花を見て。風を感じて。
たくさん休んでも大丈夫。
なんとかなる。そう信じてる。
今回ホントはハッピー君の順番なんだけど横入りしちゃった。
ごめんねハッピー。許してね。
今日の日記を書いてたら、この小説で公開したくなったの。
読んでくれてありがとう。
ではまた。チャオチャオ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます