第2話 山賊襲来

世界は一つの大陸で出来ている。

広大な広さを誇る大きな大陸はたくさんの国があり毎日どこかで戦いが行われているほどであった。

しかし1つの国の登場により世界は少しずつ変わっていく

その名はロナ国。赤い騎士レオナレデス率いる軍が連戦連勝をしていたのだ

カレンとウララが見たのはちょうどこのころの戦であった。


レオナレデスをみていらい2人は毎日棒を持っては打ち合いをしていた。

2人の華麗な動きはとても9歳とは思えないほどであった。宙を舞い、踊るような剣劇を繰り広げ、見るものを魅了するほどのものであった。

木の棒をもち対峙する。実戦さながらの戦いを繰り広げていた。

「たあっ」

するどい突きが胸あたりに迫る。

「うおっと」

何とか交わしたが次つぎと迫ってくる

はじき返しながら体制を立て直す

「そろそろお昼だし。そして今日で最後・・終わらせてやる」

そういうとカレンは構えた。

カレンから雷のような速さの剣が迫る。

これはまずい死ぬかも。とっさに守りに入る。

そして

二つの剣が交わり火花が散ったように見えた。

衝撃で棍棒が折れてしまった

「あっ」

「隙あり」カレンの棍棒が頭に当たる

「痛ったー」頭を抱えてうずくまってしまった。

「今日は負けたよ」

悔しいが武器がなくては勝ち目がなかった。

「ふふふ昨日の負けは取り返した」

カレンは自慢げな顔をしている

カレンとウララは赤い騎士と黒騎士をみていらい

毎日続けていた。時には大けがになることもあった。

雨の日も雪の日も雷が降るときでも続けていた。

己自身を鍛えいつか大群を率いるような将軍を目指して。

そして

半年ほど過ぎたとある日

「みんな。南のほうから武器をもった奴らが来るぞ!」

すぐそこには30名ほどの山賊たちが迫ってきていた。

「おい!!そこのやつこの町の長はいるか?」

「はっはい今お連れします」

町の住民は村長の家に一目散に向かう。そのあいだ、

「やれ」

山賊の長の号令により、山賊たちは家を破壊し始めた。

村長は慌てて山賊の長に向かう。

「やめてください」

「ああ、こいつらは気性が悪くてなあ。俺が頼まないということをきいてくれねーんだ」

「お願いします」

「お願いされてもいいけど、ただじゃあなあ はははははは」

こんな話をしているうちにも町の家を次々と破壊していく山賊たち

みかねた村長は

「わかりました。金貨20枚でお願いします」

しぶしぶ、おねがいする村長

「すくねえなあ」

山賊は長いひげに手をやりはきすれるようにいった。

「わかりました、金貨50枚でお願いします」

「よし、まあいい」

「おい、お前ら引き上げるぞ」

村長は家からしぶしぶ金貨50枚を渡した。

「があ、はははは。あるじゃねえかあ、じゃあまたな村長」

村長は被害にあった家に駆けつける

「大丈夫か?」家を破壊された。若者に声をかける。

「これからどうしていいのか?」

「皆で家の修復をしようと思うのだが、どうじゃ」

「いえ、それでは皆様のご迷惑をかけてしまうのでわ」

「いやいや、気にせんでよい、大工も力仕事もばっちりできるものがおる」

「ありがとうございます」



****


一人の少年が山賊たちを尾行していた


少年は木々に身を潜み山賊たちは南のほうに歩いて帰っていた。

高かった太陽もだいぶ沈んできた。すると、林の中にある山賊たちは洞窟に入っていったのだ。どうやらそこが住処らしい。

相手の数は35名、尾行しながら数を数えていたのだ。

少年は来た道を走って帰っていった。

空は暗くなりたくさんの星がのぞきこんだ。この町は世界で一番きれいな星が見える町でもあった。風も出て木々のいい香りがする。

「こんなことなければよかったのにあいつら、ゆるさない」


***


カレンとウララは夕方ごろ町に戻っていた

ウララとカレンは破壊された街をみて

愕然とする

「・・・」ウララもカレンも声が出なかった。

しばらく2人は立ちすくんでしまった。

「どうしたんだこれは」カレンは村長に聞いた

「山賊たちが破壊していったのだよ」

「山賊?」

「ああ、30人ほどで現れて金を要求して帰っていったのだ。命だけはこうしてたすかったんじゃよ。」

村長はため息交じりに教えてくれた。

「そいつらは?」

「もう帰っていったよ」

「そっか」村長に対する言葉とは裏腹に、僕は怒りが高まり村長の声が入ってこなかった。


「許せないな」僕は怒りが限界に来ていた。

「ああ」カレンも同じようだった。

そして

「おーいカレン、ウララ」

少年が駆けつけ際に声をかけてきた。

「ゴンタ!」

「どうした?」カレンが言う。

「奴らの後をおっかけたのさ、そしたらびっくり洞窟の中に入っていったんだ。」

「どうくつ?」

「ああ、ここから10kmぐらいのところにあるんだけどな」

「よくやったゴンタ」僕は言う。

「今回はよくやったなドジタ」カレンは嫌味交じりに言った。そう、いつもドジばかりするゴンタは、村一番のドジっ子だった。

「カレン言い過ぎ」僕はいう。

「今回はゴンタの大活躍だからな」

「今回って・・それより大活躍って場所知ってどうするのさ」

「決まってるだろ奪い返すのさ」カレンはいう。

「・・・は?」ゴンタ驚く


「・・・は?ってなんだよ」カレンはいらだっている

「いや・・別に」

「相手の数は村長が言った通り40人ぐらいなの?」僕は聞いた

「襲撃したのは35人」

「武器は」

「剣が20人槍が5人であとは持っていなかった」

「なるほどな」カレンがいう

「問題はどう攻めるか。そして金貨を使われないうちに回収しないとな」

「なあに。突っ込めば大丈夫だろう。一人10体ずつって感じだな」

「洞窟内がどうなっているかわからないから油断は禁物だね。罠の1つは必ず仕掛けてあるはずだ」

「近くに川はあった?」

「あったけど少し離れていた」

「そこに水汲みに行ったりするか用を足しにいくかもしれないな」僕はいう。

「なるほど、さっすがウララ知的剣士だ」

「うーん、知的ではないけど。参謀がいいかなあ」

「さんぼうね」カレンが言う。

「ふっ俺が作戦をいうから聞いてくれ」

「まず夜中に襲撃をする。敵は報復しに来たと

勘違いして表に全員で出てくる。そいつらを俺とウララが相手をする

そしてゴンタは中に入って金貨を回収する以上」カレンは自慢げに説明する

「できるかゴンタ?」余裕だろうといわんばかりにゴンタに聞く

「ちょっと難しいかもね相手がでてこなかったらどうするのさ」

「全員倒すしかないな」カレンは自信満々に答える

「それは厳しいかもな」僕は言う。

「相手のつよさもわからないない、洞窟の中のどこに金貨が隠されているかわからない。敵の数も不明だときびしいかな」

「とりあえず洞窟にいってみてみないか?」僕はみんなに提案した

「賛成」三人はうなずく。


馬にまたがり。僕の後ろにゴンタがのった。

ゴンタはカレンが少し怖いようだったのでこっちに来たようだ。

夜空の奇麗な星が目に入る。風も気持ちよく今から決戦をしに行くとは思えない状態だった。

「ねえ盗賊の頭みたいなのをやっつけたら返してもらえたりしないかなあ」カレンが言う。

「そんなうまいこといかないよ」僕はいう

「最悪の時のことを考えないといけない」

「最悪って」ゴンタが聞いた。

「全滅だよ。全員死ぬってこと」僕は言葉を強くいった。

「死ぬって」ゴンタがおびえたように言う。

「今回の町を襲ったこと。金品を盗んだこと。また来るぞって言ってたようだし、これは死にあたいする」カレンが顔をこわばらせていう。

「ウララはどうおもうの」ゴンタが言う。

「僕は金品を返してもらい二度と村に来なければいいと思っているけどそんな簡単にはいかないと思うけど」

「あいつらはたぶんほかでも同じことをやっているだろうからな。許せん」カレンが言う。

「仕返しにくるなんて思ってないだろうな、なめやがって全員の寝首をとってやる」怒るカレン

夜明けまで4時間ぐらいのところで洞窟の近くに馬を止めた。


馬から降りた3人は洞窟のそばまで近づくすると、

男が2人出てきた、その男たちは軽装で短剣を一本ずつ持っている程度だ、ランプをかざしどうやら川のほうに向かっているようだった。

「どうする?」僕は言う。

「倒して縛りあげるか」カレンはいう。

「よし」

僕とカレンは木々に隠れながら忍び寄る

川の音にまぎれ忍びこむ。

棍棒を上げ思いっきり頭に叩き込む。

ドサ ドサ 敵は二人とも倒れた。

「よし縛り上げるか。」

「短剣は回収してと」僕はいう

その時チャリーン音がした

「なっ金貨もってるぞ!」カレンは言う。

「回収回収」僕は言う。

なんと金貨を3枚ゲットした。

「そういえば金貨って何枚とられたんだっけ?」僕は言う

「・・・」

「・・・えっ」

「知らん!金じゃないんだよ金じゃあ」カレンが言う

川から戻りまたもとの位置に戻る。

外に見張りが一人立っている。

「どうだった?」ゴンタが聞いた。

「とりあえず2人は倒して縛り上げた。金貨持ってたぞ」

「金貨!?」

「金貨3枚ゲット」

「あの門番の状況は」

「えっとさっきから外に出てきてあそこに立っているんだけどね」

「なら倒すか」

「正面突破するしかないか」

「よし行こう」

門番が別のほうを向いてる隙を狙い、後ろから頭めがけて棍棒を振り下ろす。

ドサ

倒れた門番を縛りあげ金貨を回収する2人


「さあここからが本番だな」

洞窟を入る。洞窟はライトが照らされていてどうやら電気が通っているようだ。温度もちょうどよくとても快適な空間になっているようだ。

壁にはなにやら文字が書かれていてどうやらこの国のものではないようであった。

「なんだこの文字は」

「わからないな。どうやら何かの遺跡のようなものなのかもしれないな」

すこしずつ奥に進むとそこには8人ほど寝ている盗賊たちがいた。

「どうする」

「ここは通り抜けて長のところまで行くのがいいのかも」

気づかれないようにそっと通り過ぎる2人

「うーん」一人の盗賊が目を覚まそうとした

「まずい」伏せる2人

奥に進むと長と思われる部屋があった。

すると

「敵だあー」大声が後ろからした

「ちっ」カレン

カレンは踏み込み一気に山賊のところまで移動

短剣を腹に突き刺し上に切り上げる。血しぶきを上げ山賊は崩れ落ちた。

敵が起きだす

「どうする」

「奥に進むのは危険だもどろう」

「ああ」

さきほどの八人のところまで戻ってきたが

敵は5人ほど起きていて3人はまだ寝てきた。

剣をもって起き上がる者たち。構える2人

「ふん」カレンが短剣を抜き刺突けん制を入れる

僕もすかさずカレンと同じようにけん制を入れる

相手の動きが寝起きかぎこちなかった。剣を使ったことのないものの動きにも見えた。

これはいける。そう思い剣を上から一気にふりおろす。一人の山賊が悲鳴を上げて崩れ落ちたその悲鳴に気づき目を開ける3人。僕も相手の首をめがけて渾身の剣を振り上げる。

スパッ まだ生ぬるい血しぶきを上げ相手の首が転がる。体に返り血を浴びる僕とカレン

「この野郎ー」山賊が怒り狂いおそいかかる

華麗にかわすカレン。

「殺してやる!!クソガキが!」

相手が剣を売り上げた瞬間ウララの剣が腹を切り抜ける

ドサ。真っ二つになったからだが横たわり血のみずたまりができていた。

「ひっひいい助けてください。」

怖気づいた盗賊たちに

「武器を捨てそこの縄で二人を縛れ」カレンが言う。

「はははっい」

慌てて仲間の山賊の手と足を縛り動けなくする

「お前は少し寝てろ」

棍棒でカレンは頭をたたく

ゴン

「ここまで来たら進むしかない」


「かかかっかおい!!小娘ども俺に用があるってのかあ」

2mを超える大男が出てきた。

「随分となめた真似してくれるじゃねえかあ。夜中にこそこそとよお」

怒り狂うのを抑えながらいっている大男

「お前こそ町を破壊してよくやってくれたじゃねえかぁこのくそ盗人が!!」

「なめた口をききやがって」大男は槍を振り上げてふるう

カキーン

短剣で何とか抑えるカレン

「おいおいこんなガキ相手になにやっているんだあアン」

奥からもう一人大男が出てきた。

「親方」

どうやらこいつが大ボスらしい。

「あんたが、大将か?」僕は言った

「ああ、そうだとも。かわいい顔しているがもったいないここで死んでもらおう」

「死ぬのは貴様だ」僕はいう

***

カレンは相手の攻撃にほんろうされている相手の力強い攻撃に体が服飛ばされそうになりながら戦っていた。

「くっこのままじゃあまずい」

山賊長の連撃が来る。すさまじい速さで来る槍を交わすカレン

どうする

どうすれば力もスピードもあるやつに勝てる

***

僕は山賊のボスと対峙する。

体も倍近くある相手と戦っていた。

手数で相手の力をうばっていくしかない。そう思い

刺突をつき放つ

足腕腹自分の短剣が届く範囲だが少しずつダメージを与えていく

「ぐぬぬぬうっとうしい奴だ」

山賊のボスは剣を振るう

受け止めるのがやっとだ。こいつ

さらに剣が飛んでくる。

「ぐはっ」壁に吹き飛ばされてた。絶望までの力の差。

このまま負けるのかそう頭によぎった。が、

ここで負けるわけにはいかない。最強の騎士になるまで僕はあきらめない

ふらふらになりながら、強く剣を握る。

次の一撃で終わらせられなければ負けは確定。

ひと時の間があった。

****


カレンは相手の槍をかわす。このままではらちが明かない

そしてわざと隙を作った。そう転んだふりをしたのだ、

そこへ全力の槍が振り落とされる。

相手の体めがけて一気に前進する。

そのまま短剣を胸に突き刺すそして貫いた。

「ぐはっ」

「まだだあ」

胸に短剣がささったままで攻撃を仕掛けてくる

すかさず地面にある剣を拾うカレン

「まだだあああー」叫びながら攻撃をする敵

そして次の瞬間

カレンの回転する剣劇が舞い敵の首をはねた。

「・・・ぐは」

首をはねられ相手は死んだ。地面には首が転がり血が数メートルにもわたり飛んでいた。

「この程度で、呼吸が乱れていては先が思いやられるな」カレンは独り言をつぶやいた。




***


この一撃で決まる。


ボスの剣がウララの首元まで迫る

そして交わしながら、剣を振り下ろす

そして相手の両腕を切り落とす

「ぐわああ」

「まっまってくれええ」

「せやああー」僕は無意識で剣を一気に振り下ろした。


ゴギィ。骨を叩き切る音が響いた。


肩から腹にかけて斜めに切り裂かれたボスが床に転がる


崩れ落ちる族長

はあはあはあ 終わった。戦いは終わりを告げた。


そして朝日が昇ったと同時に村のみんなが洞窟めがけて

100名ほどで遠征してきた。ゴンタが村の仲間をたたき起こして仲間を連れてきたのであった。

泣き崩れる山賊の娘と子供たち50名ほど。国に見つかればこの事態では全員処刑される。

村長はとらえた族長の嫁を捕虜として、村で働くことにさせた。処刑ではなく捕虜というのは、村長の計らいでもあった。時間はかかるであろうが、いつか心の傷がいえる日がくるとねがっているそうだ。

金貨は全部回収され。山賊の男たちは村の農作業を任されることになった。

話をすると意外といい人たちで、族長や殺された仲間のこともそこまで気にしていないようだった。気にしていないというとへんだけど、まあ、そういうものらしい。



*****


「ねえ、この洞窟ってまだ奥がつづいていないか?」

「やめとこうよ。さすがに疲れたよ」僕は言った

「なら置いてくぞ」

「わかったよ」

どんどんと奥へ進んでいく二人

ライトはなくなり

ひんやりとした空間が続く

道は整備されていて水滴の音が聞こえてきた。

しばらく歩くと

「なんだここは」僕とカレンは目を見開いた。

洞窟内にもかかわらず巨大な湖があったのだそしてその中央には古めかしい台座があった。湖には魚が泳ぎ、野鳥も水を飲んでいた。上を見上げるとそこからは太陽の光がうっすらと入り古めかしい台座を照らしているのだった。


「なんだあれは」カレンは台座のほうに移動していった。


「これは入口にあったのと同じ文字だねたぶんこの世界の言葉ではないきがする」僕は何となくそう思ったのだ。

「ちょっと調べてみる価値がありそうだけどまあ、ここはいい場所だから俺たちの隠れ家にしようぜ」カレンがいう。

「それはいいね」僕は驚き納得した。

「なら決まりまた来ようぜ」

「そうしよう、ならもどるとするか」

2人でてくてくと来た道を戻る山賊の村長の人がいた部屋にたどり着き

村のみんなと合流して帰還する。

村長にはこっぴどく叱られたが、ほかのみんなは3人を英雄として扱ってくれた。その日はみんな仕事を放りだして、朝からみんなで宴会だった。高原の野菜やパンというものそしてたまにしか出ないがお肉も出た。お酒をみんなで飲んで一日の疲れも吹っ飛んでいた。みんなでわきあいあいとやって楽しい一日だった。

捕虜になった女娘たちも宴には参加していた、村長の気遣いだった。女娘たちはコーヒーを栽培して生計を立てたことがあったらしく、これからはコーヒーの製造に取り掛かることになるそうだ。後から聞いた話だが、山賊のボスとリーダーにうまくまるめこまれて、山賊にいたらしく、もともと知り合いでもなかったらしい。そのおかげもあってか、町のみんなと仲良くなるのも早かった。

そしてまた新しい日を迎えることになる。


































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