11.森のボスに「復讐」!? 後編
【さあ!始めよう!最高の殺し方を教えるバトルをね!】
ガントは、チェーンソーを振り回している。
駄目だ。こいつ、何言っても分かってくれない……。
まあ、いい。
「俺達よりも先に、お前が死ぬんだよ!」
俺は「水」のボタンを押した。
波が、空から一直線に来る!
どでかい波が、ガントに直撃する!
【あっ?ああっ?うああああっ!?】
「おおっ、すげえ!」
どうやら、この波は効いている様だ。
よっしゃあ!この調子でガンガン攻めるぜ!
「おらおら!テッドばっかりいい格好させねえぞ!?」
「ファンタ!」
ファンタは、ガチガチの拳をガントに思いっきりぶつけた。
【がっ!】
「おらおらおら!どんどん行くぞお?」
ファンタにボコボコにされるガント。
な、なんだかファンタが敵みたいだぞ……?
しかし、ガントはファンタに殴られながらニヤッと笑った。
「ファンタ!気を付けろ!」
「え?なんだって?」
しかし、もう遅かった。
チェーンソーが……ファンタに迫る!
「やめろおおおおおおおおおお!」
俺は叫び、ガントに飛びかかった。
ガントの腕を掴み、足を蹴り上げた。
【あっ!?あっ!?なんだよ雑魚がああぁあ!?】
ガントの手から、チェーンソーが飛んだ。
「ファンタ!未だッ!」
「おうよ!!」
ファンタはチェーンソーをキャッチし、ガントに足を向けて飛びかかった。
ドッと音を立てて、ファンタがガントの腹を蹴った。
【うぐぁあ!】
そのまま、ガントはバタリと倒れた。
俺はというと。
ガントの下敷きだ。
だが、ガントは抑えたままだ。動けるもんなら動いてみろ!
「さあ……終わりだッ!」
ファンタは、ガントの腹に足を乗せたまま、ガントにチェーンソーを向けた。
【はは……はははははは!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!】
しかし、ガントは笑い出した。
【雑魚!お前は馬鹿か!?僕の話聞いてましたかあ!?僕はな、仲間と力を合わせて戦う奴が……】
今度はガントが、ファンタの腹を蹴った。
「ぐふあっ!?」
「ファンタ!大丈夫か?!」
ファンタはそのまま後ろに飛んでいき、そこにあった木に激突した。
「うがあっ!」
「ファンタあああ!」
俺はガントから離れ、ファンタのいる所へ走った。
ガントは笑い声を上げた。
【大っ嫌いだってなあ!?】
ガントはファンタが落としたチェーンソーを拾い上げた。
「へへ……へへへへ…………そうかよ……」
俺は怒りのあまり頭がおかしくなったのか、笑っていた。
「そうだ、ちょうど良かったぜ」
俺はファンタを立たせ、キッとガントを睨みつけた。
「俺はお前みたいな奴が、大っ嫌いだからよお!」
俺はガントに突進した。
【なっ!?足がっ……早いッ!?】
俺はバキッと、ガントの顔を殴りつけた。
【が……っ!?】
そして、チェーンソーを奪い、ガントの頭上に振り上げた。
【まっ……】
そして、チェーンソーを--
振り下ろすッ!
【待って……】
ガントは絶望の表情を浮かべたまま、
闇の中で、消えていった。
「はあ……はあ……終わった……」
俺は息を切らし、座り込んだ。
てか、滅茶苦茶チェーンソー重いよお〜……。
「テッド!やったな!」
「ファンタっ!?大丈夫なのか!?無事なのか!?」
「おう!あのくらい、大した事ねえ!」
ファンタはハハハと笑った。
「ああぁぁあ……良かったあぁぁ…………」
「っ!?テッドっ!?」
俺はドサッと倒れ込んだ。
空には、青い雲がある。
いつの間にか、闇は消えた様だ。神秘系な風景の中で、俺は落ち着く。
「ああ〜……「復讐」できたぁ……もう体力ねーよ……」
「良く頑張ったな、テッド!」
ファンタがニコッと笑って、俺を褒める。
この幸せな流れの中、
「ゴフアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
現れたのだ。
水色の液体が。
「なっ……コイツっ……空気読めよぉおお!?」
ファンタが叫んだ。
あっ、これって、ピンチじゃね?
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