5.ファンタとの再会

アハハ…俺、恋しちゃったかな?エヘヘ…。

いやいや!何デレデレしちゃってんだよ、俺!

さあ、行くぞー!

…の前に腹減ったなあ…。

なんか、食堂とかないのかなぁ?

しばらく探すか。

さあ、行くぞー!(二回目)




…えー…。

色々探して見た結果、このゴージャスな凄い食堂しかなかった…。

まあ、入るか。

俺は食堂の中に入って、そして思う。

中、めっっっちゃ昭和!めっっっちゃ和風!

外のゴージャス感なんなんだよ!?


「いらっしゃぁい!!!」


うわっ!?びっくりしたぁ〜!

横を見てみると、若いお兄さんが立っている。ははあ、どうりでテンション高い訳だ。ハハ。

「ようこそぉ、我が和食昭和食堂へ!お客さんは…何で来たんですかい?」

何、こいつ…江戸っ子みたいな喋り方だな…。

てか、ここやっぱ昭和で和風なんだ!?


「あ、いや、その〜腹が減っt」


「ひょおおおっ!見たか〜親父!俺が頑張って作ったこの食堂の魅力で!お客を呼び寄せたぞぉぉぉ!」


ははあ、なるほどぉ。

これを聞いたら、殆どの事は分かる。

この青年の父は、前に亡くなったらしい。それで、父の店を継いだらしいが、父の味が凄かったので余り人気が無くなったのだ。なので、外の魅力で客を呼ぶという作戦(?)をたてたらしい…知らんけど。

まぁ、可愛そうだし…帰らないでやるか。


「じゃ、じゃあ、い、1名でs」


「はいはいはい!1名様ですね!はい!承知しました!では、席はこっちです!」


話を最後まで聞けよ、この人。俺の言葉が途切れてんぞ?


「席は、外と中がありますが、どうしますか?」


「あ、じゃあ…外で」


いやいや、だってさ。

外に客が三人、席にいるんだもん。中にはいないんだもん。


「はいっ!そんでは、外のあの席へ!」


「は、はい…」


俺は青年が指差した席に歩き出した。

外に出たら、暖かい…いや、暑い風が出迎えた。最初はゴッと来た。

俺は席に着いた。

あれ?水は自分で用意するのか…。

俺はテーブルの前にあるコップを持って、席を立った。

すると、シュバッと青年が…いや、食堂の店主が、俺の前に来た。

「すみません、お客さん!ご注文聞くの忘れてました!さて、ご注文は!?」


「え?」


「ご注文です、ご注文!」


「は、はい…えっと…あれ?メニューがないですよ?」


「ん?何でも良いんですよ?当たり前ですけど?」


えええーーーっ!!マジか!凄くない!?俺が知らない間にそんなルールになってたんか!いや!でも、信じられん!そんなはずはない!だって、俺が何回食堂行っても、絶対メニューあったもん!……あー!もう良い!


「じゃ、じゃあ、ナポリタンで」


「はいはいはい、承知しましたっ!じゃ、待っててくーださーい!」


何、こいつ。ハイテンションすぎだろ。ったく…。

俺は水道でコップに水を汲み、席に戻った。

俺は一気に水を飲み干し、思う。

俺の隣にいる人、ガタイが無茶苦茶良い。いや、マジで。


………。

………ん?


ガタイが良い?ま、まさかっ…!


俺はバッと横を見た。

すると、隣の人も驚いた顔で俺を見る。そして、めんどくさそうな顔で言う。


「おう、また会ったな」



フ、ファンタさんっ!!!

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