4.武器屋と防具屋

…はあ、何処行こう?

てか、何だ?あの妖術?「乾かし」って…かっこ悪っ!

しかも、帽子の声が女の人の声だったぞ!?この帽子、性別あんの!?女なの!?

まあ、良いや。ん?あれ?俺、迷子になったんじゃね?

行き先分かんないし…やっべ…完全に迷子だ。


「だ、誰か…」


「おう………迷子か?……フフフフフフ………よし分かった………僕が…案内してやる………新たな街へな…………感謝するんだな」


ま、また声が…。くそ…俺一人でも出来ると言いたいが、強がっても分からんしな。


「…分かった。よろしく頼む」


「フフフフフフフフフフフフ………やっぱり僕の力がないと……無理なんだな!ハハハハハハハハハハハハ……!」


く、くっそおおお!な、舐めやがってえええ!

悔しいが、任せるしかない。


「間違えたら承知しないぞ」


「ハッ、俺が間違える訳ないだろ……僕はこの森の事は全部知ってるんだ…」


すると、いきなり風が吹き、煙がこっちに来た。

煙はスルスルと木の間を通り抜けていく。


「ほら……こっちだ」


なるほど。この煙についていけと言うのか。

俺は煙の後を追った。

こうやって煙の後を歩き続けていたら、いきなり光がパアッと目の前に光った。


「うわっ!?」


俺はびっくりして、立ち止まった。


「どうした?早く行けよ…」


また声が聞こえ、俺は焦ってあたふたと森を出た。


「フフフフフフ……また会おう……雑魚!!」


うるせぇ!

こうして、俺は森を抜ける事が出来た。

はあ…本当にあの雑魚雑魚うるさい声はなんなんだ?また会おう?また会うのか?あんなの、もう二度と会いたくねぇよ。はあ…。

ん?でも、俺の目の前にあるのって……。


「街だぁ!?」


また、俺は変な声を出してしまった。

おお、これが新たな街という物か……あんまり前の街と変わんねーな。

俺は街に入って、建物を見ながら歩いた。

はあ、なるほど。

店がいっぱいだ。すげえ。俺は夢中になって歩き続けた。

すると。


「さあさあ、見てください!今日はなんと!お安くなっております!買うなら今のうちですよ〜!さあ、どうですか?そこの〜妖術師さん!」


「へ!?」


俺はいきなり手を引っ張られた。

手を引っ張った人は丸眼鏡をかけていて、中々オシャレな服装をしている男だった。


「どうです、どうです、どうですか!?どれもこれも、いい防具ばっかり!しかも

安い!買いますか!?どうですか!?」


防具?防具屋なのか、このすげえ興奮してる人。


「わ、分かった。買う!買うから!」


「おおぉぉぉ!買ってくれますか!お優しい!ではどうぞ、どうぞ!入ってください!」


俺は防具屋の中に入った。

「アナタ…妖術師でしょ?ですよね?なら、その帽子の妖術を増やせますよ」


あ、色々選ぶんじゃないんだ。


「ここ、ここ!ここです!ここが、妖術師の防具です」


「あ、はい。分かりました」


えっと…ここは、「回復」「攻撃力」「武器チェンジ」の三つの妖術を増やせるらしい。ん〜、迷うなぁ。


「じゃあ、「攻撃力」ってやつで」


「おお、ありがとうございます!じゃあ、お代をこちらへ」


ああぁぁぁ!そうだったあああ!お金必要だったあああ!


「あの…えっと…その…代金は…あ、後で…その…」


「ん?何ですか?代金は…後でと?え?」


「い、いえ、何でも…」


あーーー!ダメだあああ!お金持ってねえええ!

バ、バックの中は!?ない!やっぱない!


「え?何処見てるんですか?ポーチの中ですよ?」


「は?」


ポーチ?んなモンあったっけ?あ、左にあった!?あれ?俺、ポーチなんか…。


「すみませーん!」


「あ、は、はーい、ちょ、ちょっと待ってくださーい!ほら、早く代金を!」


「は、はいっ!すみませんっ!」


俺は慌ててポーチを探った。あった!えーと、代金は…525ソエ?ソエって何だ?このお金の事か?まあ良いや!


「はい!代金です!」


「ありがとうございますっ!さあさあ、早く外へ!別のお客様が来るので!」


「は、はいっ!ありがとうございましたっ!」


俺はササッと店を出た。

はあ…はあ…はあ…よ、良かった…お金があって。でもいつの間に?液体とか倒せば出てくるのか?まあ…良いか。良いのか…?

ふー、これでやっとこの帽子の新しい妖術が…。


「ちょちょちょちょーう!待ってください、そこの妖術師さん!こちらも買ってくださいっ!ね?」


は、はぁ〜い…。

えっと…こっちは、綺麗なお姉さん?うわっ、美人…アハハ…。

えー、ここは武器屋?なるほどな。まあ、この手袋も使いにくいし…変えるか。


「はい、妖術師はここです」


ほうほう。

青い手袋と、杖と、木の板?

まあ、杖が一番使いやすいか。


「じゃあ、杖で」


「ありがとうございます。じゃ、代金を」


代金…足りるかな?あ、足りた?足りたか。たぶん。


「はい、代金です」


「ありがとうございました。それでは、外へ。他のお客様も来ますから」


「は、はい…こちらこそありがとうございました…」


俺は店を出た。

はあ…いいお姉さんだったなあ…。

う、うわ、俺…まあ良いか。

良くないけどな。

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