第38話

「流石にこれを他の人に任せる訳には行かないから仕方ないけど。面倒臭いな〜。出来るだけ早く終わらせよ」


ロスさんが作ったと思われるマングローブ林で建築について、魔族にアドバイスをしてくれないか、お願いするためにロスさんを探したけど見つからず。


時間もちょうどいい感じだったので、この日はロスさんを探すのを諦めて、帰宅。

帰宅してからは準備されていた、エリーの歓迎会を楽しんだ。


その後は特に何事もなく就寝。


今日は、ダンジョン関係でキュアノス島で働く事になる人達が外から来る日なので。

出迎えるために飛行船の発着場で待っている状態だ。


妻たちは全員集まって、妻たちだけのエリー歓迎会をしているので、1人でポツンと発着場に立って待っているのもあってマジで暇。


まぁ今日やることは、建物のあんないと馬鹿な気を起こさない様に少し釘を刺すぐらいしかやることも無いし、そんなに時間はかからないだろう。


出来るだけ、外から来るギルド職員は身辺調査をして明らかに問題を起こしそうな連中は弾いたけど、グレーな奴らは全員弾けなかったからな。

この島で馬鹿なことをするなら、手加減はしないとしっかり伝えておかないと。


「見えてきたな」


飛行船が視認できる距離に入って来た。

もう10分もしないうちに発着上に着陸するだろう。


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「で?なんなのオタクら?」


ここまでキレるのは珍しいよ?というぐらいキレている。


「勝手に人は増やすなって言ったはずだよね?それに加え、勝手に人数を増やした事の謝罪もせずに勝手にどこかに行こうとする。マジで舐めてるの?」


怒っている理由は今言った通り。冒険者ギルドが勝手にキュアノス島に来る人員を増やしたからだ。

それだけなら、ここまでキレることは無かっただろうけど。着陸してすぐに降りて来て、俺に挨拶も説目も無しに、着陸場から離れようとし始める始末。

完全に舐められてるね。


「取り敢えず。冒険者ギルドの連中は全員キュアノス島から強制退去だな」


冒険者ギルドから派遣されている人が全員悪いという訳では無いけど。このさい連帯責任だ。

転移魔法を使って勝手にキュアノス島に乗り込んできた冒険者ギルド所属の人をリンファス王都の冒険者ギルドの前に投げ捨てる。

一応、最初からキュアノス島に来る予定だった冒険者ギルド所属の人は丁寧に転移させた。

なんでこんなことになってるか、説明するためにギルドマスターと話す必要があったから無駄に時間を消費してしまった。


「まぁ、冒険者ギルドは大きな組織だから色んな派閥が有るのは理解している。どこの派閥が今回やらかしたのかしっかり調べて報告してくれればもう一回だけチャンスをあげる。ただ、そのチャンスすら不意にするなら後は知らん」


ギルドマスターの返事を聞く前にギルドマスターの執務室を後にする。

商業ギルドの人たちを待たせているからね。



「お待たせして申し訳ない」


「いえいえ、今回は仕方が無いでしょう。ですが冒険者ギルドの人員を全員帰してしまって良かったのですか?」


商業ギルドからしたら、ダンジョンに潜った冒険者から戦利品を買い取ったり、冒険者に対して日用品などの消耗品を販売して利益をだす予定だったんだからその冒険者がまるまる居なくなってしまったんだから、心配にもなるだろう。


「問題ないですよ。まぁ商業ギルドの皆さんが心配する理由も分かりますけどね。この島には冒険者より何倍も強い幻獣種達が居ますから彼らにダンジョンに潜ってもらえば良いだけですからね」


それを聞いて商業ギルドの人達はそれなら問題ないと安心した顔をする。

本来だったら、接触させるつもりが無かった幻獣種とも交流が持てるんだから、むしろプラスまである。


「後、幻獣種達は人間の物価を理解している訳では有りません。だからと言ってぼったくったりするのはダメですよ?」


もし、幻獣種相手にぼったくりをしようとしても幻獣種の中には相手の考えていることを完全に読むのは無理でも感情を読める種族もいるから、痛い目に会うのは商業ギルドの連中だろうけど。


「商人は信用第一ですから。勿論心得ています」


「そうですか。それを信用させていただきます。それでは、建物についてご案内させて頂きます」


俺を先頭に発着場を後にする。


まずは大きな建物が2つ並んだ場所で足を止める。


「ここが冒険者ギルドと商業ギルドの建物です。冒険者ギルドは帰しちゃったので、好きな方をお使いください。中は全く同じです。後、周りに建ててある建物も住居にしたり好きに使ってくれていいですよ」


自分で言うのもなんだけど。随分高待遇だと思うよ?

町が汚くなるのはやだから、トイレとかどの家も魔道具を導入してあるから清潔だし。


「最後になりますが。ここからも見える1番大きい建物が銭湯になっています。今のところ無料ですが後々お金を取るシステムになるかもしれないのはご了承ください」



「正直タダで入れる方が異常だと思うのですが。管理はどうなっているんですか?」


まぁそうだよね普通。



「大部分が魔道具で自動化されてるからほとんど管理は必要ないんだよね。まぁ当分は自由に使ってくれて構わないから。じゃあ、ダンジョンに潜る幻獣種に声をかけに行くから、俺は一旦ここから離れます」


誰に声をかけようかな?と考えながら転移した。



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読んでいただきありがとうございます。

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