第37話
縦穴洞窟の調査を終えて1度、魔族の村に立ち寄ってからキュアノス島に帰る。
相互通信しか出来ないトランシーバー型の魔道具をレムさんとエリーに渡したから、何か問題が起きた時もすぐに連絡が取れる。
「おとーしゃんまた新しいおかーしゃんですか?」
「ぶっ!!」
転移した地点がちょうどフランのお散歩コースだったらしい。
振り向くと、メイドをしている水の精霊に抱っこされたフランがいた。
「まぁフランの言う通りなんだけどね?
彼女はエリーゼ。はい、10人目の奥さんです」
「よろしくです。エリーゼおかーしゃん」
多分だけど、おとーしゃんとおかーしゃんはわざと言ってるよね?他の言葉は普通に喋れてるし。
可愛いから良いけど。
それとフランのことをエリーに説明しないと。
状況が理解できなくてさっきからフリーズしてしまってる。
「この子はフラン。俺とフィアの子供なんだけど。前世の記憶を引き継いでるから、もう流暢に話せるんだ」
「そうなんだね。よろしくねフランちゃん」
エリーの挨拶にフランが片手をあげて、
あい!と返事をする。エリーはそれだけでフランの可愛さの虜になってしまったようだ。
ニコニコしながら頭を撫でてる。
しばらくすると、フランがウトウトし始めたので、メイドさんと一緒に家のお城に帰って行った。
俺達も一緒に帰っても良いんだけど。
エリーの歓迎会の準備をしているだろうし、帰るのはもう少ししてからの方が良いだろう。
「何度来ても活気のある島ですね」
精霊や幻獣種が遊びに来れる場所と言うコンセプトで色々作られた場所だけど。
精霊王達や神獣、神獣の血を濃く引継いだ幻獣種。そんなやばい人達が自重をすてて色々やってるからな。
俺は料理をたまに教えるぐらいしかして無いけど凄い発展具合。
「これだけの家をポンと作れるぐらい土属性の魔法が使えるなら、村の発展スピードを加速させられるだらうな〜」
キュアノス島の建物はロスさん達地の精霊や神獣やティアナさん達が地属性魔法で建物を建てるので1部を除き殆ど石材で建築されている。
「一見簡単そうに見える。この3角お屋根の一軒家だって結構大変だよ?」
家の形をしっかりイメージ出来ないと作れないし。他の場所に比べて力がかかりやすい場所は頑丈に作らないと行けないから石材建築のしっかりとした知識も必要だ。
それに魔族は種族特性で必ず闇魔法の適性を持って産まれてくる代わりに、他の属性の適性を持って産まれてくる子はヒューマンより少ない。
セラスの作った。魔法が使いやすくなる玉があると言っても、地属性魔法で一気に建物を立てるのは難しいだろう。
「ブロックを作って木材とミックスで建物を建てるのなら魔族だけでも木造建築より耐久性の高くなると思うよ」
1回の魔法で一気に建物建てるのは難しいだろうけど。地属性魔法でブロックを作ってそれを建材にして建物を建てることはできるはず。と言うか、貴族向けの屋敷はそうやって作られていたはず。
ブロック同士をくっつけるセメント的なものが必要になってくるけど。
そのぐらいカナデさんにお願いすればすぐに出てくると思う。
「その話後で詳しく教えてね?」
魔族の村の今の建物はログハウス風の建物で隙間風が若干入ってくる。
ビュービュー入ってくるわけでは無いけど。
これから冬が近づいて来ると寒いかもしれない。
魔界の冬が厳しいかどうか、誰も知らないので出来るだけ対策をしておきたいんだろう。
季節的には夏がすぎて秋真っ只中って感じなので、冬に間に合うか分からないけど。
ちなみにキュアノス島は南国風なので、秋と言っても前日ん暑い。
「俺は詳しく説明出来ないから。今度詳しそうな人紹介するよ」
実際に屋敷を建てて貰ったことがあるヒューマンの親方を紹介するのが1番だろうけど。
お金払うから建築技術を教えてって言ってもいい顔されないだろう。
こう言うのはロスさんを頼ればなんとかなるだろう。建築とか好きそうだし、魔法で一気に建築する以外の方法も、きっと一流の技術を持っているはずだ。
レモネードを定期的に魔族が届けるとかそんな感じの対価があれば喜んで教えてくれるだろう。
人間界でも、レモネードの元は作れるけど。
飲んだら電流が流れるレモネードを作ることは出来ない。
魔界のレモンをキュアノス島で育てれば作れちゃうけど。そこは空気を読んで我慢してもらおう。
「干潟がマングローブ林になってる…」
時間を潰すために最近顔を出してなかった。
干潟エリアに向かうと、干潟の一部がマングローブ林に変化していた。
「こんなこと数日で出来るのは1人しかいないよな〜」
どう考えても地の精霊王ロスさんの仕業だ。
樹液が炭酸水なマングローブを増やして欲しいってお願いはしてあったし。
問題は無いんだけどね。
ちょうどロスさんの力が借りれないかなって考えていたし。近くにいるかな?と探してみたけど。ロスさんを見つけることは出来なかった。
まぁ、ちょうどいい暇つぶしにはなったのでよしとしよう。
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