第31話
「なんで私はまた仕事を再開させられてるんだろう…このまま2人でハネムーンって雰囲気だったはずなのに」
プロポーズ?をしてエリーゼとも結婚することになり、他の人は空気を読んで部屋から出ていってくれたけど。どこかに2人で出かけたりせず。
引き続き、溜まった仕事を片付けている。
俺はただそれを見ているだけだから、何にもしてない。
「折角2人でイチャイチャするのに仕事が残っていたら、気になっちゃうでしょ?」
そうだけどさ〜と言いながら仕事を片付けるために手を動かし続ける。
なんだかんだ言って、エリーゼも仕事が残っている状態じゃ向後になってどこかに出かけても楽しめないって思ってるんだろう。
「まぁ明日、明後日ぐらいはここにいるつもりだし。ここでしっかり終わらせておけば何も気にせず遊びに行けるから頑張って」
「もう、こうなったらすぐに終わらせて。
コウと遊びに行くんだ!」
いや、もう昼すぎだし。どんなに頑張ってもどこかに遊びに行くような時間は残らないだろう。
まぁ、今日頑張れば明日からは自由に遊びに行けるようになるし。そのままやる気にさせておこう。
自分はソファーに座り、鳴らすとレムさんが来ると説明されたベルを鳴らす。
「どうしました?」
「レモネードの原液が欲しいなと思って」
水割りでも、じゅうぶん美味しかったけど、せっかくだから炭酸割りでも飲んでみたい。
食べたら電流が流れるレモンを材料にしているので、当然このレモネードも同じ効果を持っている。なので炭酸無しでも結構刺激のある飲み物と化してるから、それに炭酸の刺激までプラスしてしまうと何が起きるか分からないけど。
レモネードは炭酸で飲みたい。
それに、そこまで警戒しなくてもそこまで酷いことにはならないだろうし。
「かしこまりました。少々お待ちください」
レムさんがレモネードの原液を用意するために再度部屋から出て行く。
さっきからエリーゼは真剣モードなので一言も喋らないで書類仕事を片付けている。
ちょっとイタズラしたい気持ちも有るけど。
さすがに今回それをする訳にはいかないので大人しくレモネードの原液が届くのを待つ。
「お待たせ致しました。レモネードの原液です」
ワインの瓶に詰められたレモネードの原液を受け取る。
水割りのレモネードが入っていたグラスに原液を入れて炭酸水を入れると…
「メントスコーラ!なんで!?」
原液の入ったグラスに炭酸水を入れた瞬間、
コーラにメントスを入れたみたいにグラスから勢い良く噴き出す。
そんな事をしたら当然床がビチャビチャになる訳で…
「本当に申し訳ございませんでした」
エリーゼの家の管理をするメイドさん達が部屋の掃除をしている横で土下座謝罪をしている。
「そこまで謝らなくても…わざとじゃ無いんでしょ?」
「普通の飲み物のはずだったんだけどね。混ぜるな危険だったみたい」
地球では炭酸のレモネードは普通に存在するし問題ないと思っていたんだけど。
それにしてもメントスコーラと同じことが起きるって1番想定してなかった。
「とにかく、わざとじゃないんだし。謝らなくて良いよ。それよりあれは何を混ぜたの?」
あれ?エリーゼに炭酸飲料あげたこと無かったっけ?
確かにエリーゼに炭酸飲料をあげたことって無かったかも。
「炭酸飲料って言ってあのレモネードとは違う刺激がある飲み物かな?飲んでみ見るのがわかりやすいと思う」
コーラの原液を用意して炭酸水で割る自家製クラフトコーラを2人分用意した。
「口の中でパチパチする。レモネードと違う刺激でこっちも美味しい。酸味がない分私はこっちの方が好きかも」
エリーゼはグラスに入れたコーラを一気飲みしてから仕事を終わらせるために机に戻って行った。
コーラ一気飲みなんてしたらゲップが出ると思うけど…と少しヒヤヒヤしていたけど。
エリーゼはゲップをする事無く仕事を全て片付けた。
「終わったー。コレで自由だ!」
エリーゼがソファーに座る俺の膝の上に座ってくる。
エリーゼは身長140cmぐらいで巨乳のツインテール。
某ファンタジーの女性ド〇フみたいな体型をしている。
ちなみにエリーゼ以外の魔族の女性は平均的な人間の女性と変わらない体型だ。
「ちょっと休憩してから出かければ、丁度良いだろうし。今から出かけよう。珍しい景色が見られるんだ」
今から?もう夕方だし。これから暗くなるけど…。
夜だからこそ綺麗な風景ってことかな?
地球にいた時はオーロラとか星空とか夜に見る景色も人気だったけど。
この世界の夜は魔物の時間。
凶暴な魔物が増えるし。夜に景色を眺めるって文化はあんまりない。
それに星空はわざわざ外に行かなくても綺麗だし。
エネルギーが魔力だから空気が汚れないし。
大きな都市でも明かりが大量についているって事は無いから。
まぁ、魔物が襲ってくるなら倒せば良いし。
珍しい景色も気になるし、夜の森に散歩しに行こうか。
「エリーゼがそう言うなら行って見ようか。気になるし」
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