第32話
「じゃあ、善は急げです。早速ボスのところに行きましょう。それと私のことはエリーって呼んでください。愛称呼び憧れてたんですけど。誰も呼んでくれないから」
そりゃ魔王のエリーゼを愛称呼び出来る魔族はいないだろう。
まぁ、エリーゼがそういうならこれからはエリーって呼ぼう。
それにしても、大きなオオカミ系の魔物ガルムのボスに乗って、面白い景色が見れるところまで移動するってことは以外に遠くに行くのかな?
近くだったとしてもボスに乗って移動した方が楽か。
とは言え一応確認しておいた方がいいかな。
「もしかして、景色を見た後。そこで1晩野営して朝この村に帰ってくる感じ?」
「それでも良いけど。初めてがテントの中って言うのは嫌だから、村に帰って来たいかな。それに行きはコウが知らない場所だからボスに乗っていくけど。帰りはコウの転移で一瞬で帰って来れるんじゃない?」
そう言えばそうだね。行きを転移以外の手段を使うと帰りもそれで帰ってこなきゃいけないって考えちゃうんだよね。
「それかこの魔道具を使うか。これってつけてる本人しか使えないの?」
エリーに転移魔法が使える魔道具を渡したからそれでも帰って来れるね。
丁度この部屋を転移地点に設定してるし。
「その魔道具を起動させるときに手を繋いでたりしとけば、10人ぐらいなら一緒に転移できるはず。まぁ1度に転移する人数が増えるほど、魔道具の制度が落ちるから多くても5人ぐらいにしておくのがいいと思う、1度に転移させるのは」
理論上では同時に15人ぐらいまでなら安全に転移させられるはずらしいんだけど。
実際安全に転移させられるには5人ぐらいが限界だとアイが嘆いていた。
想定される性能の3分の1しか発揮できていないと言われると確かに欠陥があるように見えるけど。高難易度ダンジョンの超激レアアイテムを自作したと考えると。
それでもじゅうぶんだと思う。
「それならこれで帰ってくることも可能ですね」
「実際に使ってみる良い機会だし。帰りは魔道具の転移で帰ってこようか」
「そうしよう。レム、多分22時ぐらいには帰ってくるからお風呂の準備よろしく」
村の近くに温泉が湧いてたりしないから、お風呂に入る時は風呂を沸かさないといけないので、沸かしておいて貰わないとすぐに入れないので、事前に頼んでおかないと自分たちでお風呂のお湯を沸かさないといけない。
薪で沸かすとかじゃなくて、お湯を沸かす専用の魔道具があるから10分ぐらいでお湯は沸かせるから、自分たちでやってもあんまり大変って訳じゃないけど。
「分かりました。コウ様がいるとは言え。夜は1部の魔物が活発になって危険です。じゅうぶんにお気をつけください」
レムさんからしたら、そりゃ心配だよな。
エリー自体、魔物創造の才能は有るけど。
自分で戦うのはあまり得意じゃないし。
「わかってますよー。ちゃんとコウにくっついてるから安心して」
くっつかれてると、戦いにくいけど…多分大丈夫だろう。
「それじゃエリー出発しよう。準備はしなくても収納魔法に全部入ってるし」
忘れてたけど。エリー用のマジックバックも用意しておかないとな。
キュアノス島に帰ったらフェムトに作っておいてもらおう。
と言うか今のうちに念話でお願いして作っておいて貰おう。
そうすればキュアノス島に戻ったらすぐに渡せるし。
「そうですね。行きましょう!」
まずは、ボスの暮らしている。魔物広場に向かった。
「あれ?ボスの毛が赤くなってる?」
魔物広場にたどり着くとボスの毛の色が変わっていた。
時期で毛の色が変わったりするのかな?
「私の魔物創造が進化して合成進化って言うのを使える様になったから、ボスをメインにフェニックスの尾羽を使って合成進化をした結果こうなったの」
合成進化…何それかっこいい!
フェニックスの尾羽は火属性の素材だし。
ボスに火属性適性が強化されて、毛の色が変わったのか。
俺も魔物創造が使えるようになったら合成進化使えるかな?
エリーが最近使えるようになったみたいだし。最初から使うのは難しいかも。
「それより、どっちが前に乗る?」
「身長的にエリーが前に座る方がいいんじゃない?」
ボスには乗りやすい様に鞍と鐙が装着されている。手網はついて無くて、
鞍にハンドルが付いている感じだ。
「後ろからコウに抱きつくのもいいかなぁって思ったけど。前の方がバランス良いか。
それに前が見えないと案内出来ないし」
俺がボスに乗ってからエリーを前に乗せる。
俺はどこに行けばいいか分からないからエリーに案内して貰う必要がある。
ボスは賢いし、エリーが外に行く時はボスは絶対一緒に行ってるだろうし。
ここに行きたいって言えば背中に乗ってるだけで連れて行ってくれるかもだけど。
「ボス、出発!場所は例の小川だよ」
ボスがワン!と返事をして走り出す。
向かう先は小川らしい。
いったいどんな景色が見られるのか楽しみだな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます