第24話
「援護ありがとうフィア。あんまり相性良くなくて時間が掛かりそうだったから助かった」
1人で色々考えても限度があるし、これ以上グラトニーの攻撃は無さそうだ。
警戒を解いてフィアに話しかける。
「そこまで苦戦してるように見えなかったけどな。役にたったなら良かった」
「俺もフィアみたいに敵を消滅させるような魔法が使えると良いんだけどね…」
今のところ水属性の魔法でそう言うのは出来そうにないんだよね。
テッポウエビとかシャコがプラズマを発生させる話を聞いたことが有るから水属性魔法で再現出来れば結構いい攻撃魔法になるかな?って思ったけど、今のところ全く再現気配がない。
「金属融解液で水属性魔法を使うだけでグラトニーからしたらじゅうぶん脅威だと思うぞ?それにいざとなれば権能を使えばそれだけでグラトニーは終わりだ。どうやらそう簡単に行かない個体もいるらしいが」
グラトニーの親玉はフェムトでも無傷では勝てなさそうって話だし…。
それって俺たちに勝てるの?と思ってしまったけど。
グラトニーの親玉は何百もの神を取り込んでいるために、神以上に神殺しの権能が効くらしい。と言う訳で今回もボスを倒すのは人間代表のハジメくんという事が既に決定している。
ハジメくんだけが戦うんじゃなくて俺たちもハジメくんの援護として戦うし。なんなら今回はフェムトも戦うらしいんだよね。
フェムトが戦ってこの世界もつの?って結構真剣に考えちゃったけど。
本気戦うとやっぱり世界の方が耐えられないらしい。
とは言えフェムトであっても手加減なんて出来る相手では無さそうなので。
グラトニーの親玉との戦闘はグラトニー達のいる空間にこちらから乗り込んでと言う予定だ。
「それにしても遂に人型が現れたって考えると遂にグラトニーの本格侵攻が始まったってことなのかな」
「私はまだこちらの戦力を確認している状況だと思う」
「そうなの?今まで現れた動物型のグラトニーに比べたら中々強かったし。遂に侵攻開始か?って思ったんだけど」
「敵の親玉はフェムト様と同レベルと考えるなら、あの程度の強さでは、まだまだ下っ端だろうと思う。それに強さで考えるならドラゴン型とか人型より強いグラトニーも存在するだろう」
確かに人間より強い種族なんていっぱいいるか。
それに敵の親玉の強さははフェムトレベルなんだからまだまだ強いグラトニーがいっぱいいるって話も納得のいく話だ。
「確かにそれならまだ侵攻を始めたとはならないか。それにしてもグラトニーって想像以上に慎重で知性的だよね」
なんと言うか敵の戦闘レベルの調査なんてしないで、全軍一斉突撃!みたいな蛮族じみた行動をとらないし。
フェムトがグラトニーの事をイナゴの上位互換って言ったから、そう言うイメージだったのに。
実際それをやられたら対応しきれないでこの世界がヤバい被害を受けてたろうし。
逆に助かっているんだけどね。
「それは世界神様のおかげでもあるみたいだぞ?」
世界神様?そう言えば今回に関しては世界神様であっても流石に傍観は出来ないって言って色々裏方作業をしているんだったな。
「グラトニーが現れる裂け目はどうやらあのグラトニーの親玉が作り出しているらしくく。世界神様がその妨害をして1度に通れるグラトニーの数が著しく制限されているらしいぞ」
成程。思ったより1度に現れるグラトニーの数が少ないとちょっと思ってたけど。
それが理由だったのか。
それが無かったら、もっとグラトニー達が大勢で攻めてきてただろうし世界神様には感謝感謝だな。
「そうだったんだ。でも、よくよく考えると世界神様が妨害しているのにこの世界に干渉してこれるって、グラトニーの親玉はマジでヤバい実力者だな」
もし、1VS1で戦ったら為す術なく殺されてしまうと思う。
当然、金属に変換する能力だって他のグラトニーとはレベルが違うだろうし。
その対抗策もしないといけないか。
停止の権能でどうにかなるだろうけど…アイとカナデさんに相談しておくか。
問題なのが、グラトニーの対策武器研究で既にアイとカナデさんだけヤバい仕事量なんだよな…。
ご飯を食べる時間と寝る時間以外はずっと研究所にこもって研究しっぱなしなんだよな…
2人に補佐をしているグラちゃんも心配してたし。
ご飯を食べる時は一緒に食べる訳だけど。
だんだん目のハイライトが消えていってるんだよね。
確かに一刻も早くグラトニーに対して有効なものを色々開発して貰いたいけど。働き詰めじゃなく、適度な休憩をとった方が効率は上がるだろう。
1回無理やりにでも休ませるべきだな。
地味にカナデさんこの世界に来てからキュアノス島の外から出たことないし。
アイと一緒にちょっと観光とかしてリラックスしてもらうか。
それよりは家でダラダラしてたいって感じかもしれないし。コレに関しては相談してからかな。
現状お世話になりまくってるし、アイとカナデさんの要望通り応えれるように頑張ろう。
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