第23話
「水属性の魔法ってグラトニーとの相性そこまで良くないのが問題だよな。それにしてもまさか直接氷漬けにしても砕く前に氷を金属に変えられるとは……ちょっと予想外」
もっと直接金属を溶かして蒸発させられる火属性の魔法とか、全てを飲み込み消滅させられる、ブラックホールを作り出すことが出来る重力魔法の適性が有れば良かったんだけど。
生憎、水属性の魔法以外の適性は持ってない。
適性が無くても頑張れば魔法を使う事は可能だけど。人型グラトニーを倒せる威力をはっきするのは恐らく不可能。
今出来ることと言えば敵の処理能力を超える攻撃を仕掛けて、体のどこかにあるはずのコアを破壊することぐらいだろうか。
「アレはグラトニーのコア?」
人型グラトニーの攻撃が止まった?と思ったらいつの間にか手にグラトニーのコアと思われる物を持っていた。
人型グラトニーがそのコアを金属で覆うと動物型のグラトニーとなり動き出した。
まじで厄介過ぎるだろう。
「冷静に考えれば金属融解液って液体だよね」
収納魔法に仕舞っていた金属融解液を取り出し水属性の魔法で操り、グラトニー達にぶちまける。
人型グラトニーは金属融解液の事を知っているらしく、大きく後ろに後退した。
人型グラトニーが作り出した動物型のグラトニーには金属融解液を浴びせることに成功した。
やっぱりタイプ事に金属融解液の効き具合が違うらしい。一瞬で金属が溶けてコアだけになった動物型から、表面が少し溶けただけの動物型もいる。
「折角魔法で操ってるんだから、ただぶっかけるだけっていうのも勿体ないか」
金属融解液を魔法を使って槍の形にしてグラトニー達に向かって飛ばす。
取り敢えず避けても無駄だってレベルで金属融解液の槍を飛ばしたので動物型のグラトニーは全員コアを撃ち抜いて倒すことが出来た。
「人型は耐えきったか。金属は溶かせてるけど、結局コアを傷つけ無きゃノーダメージだろうしな」
金属が溶けて手がなくなったりと見た目的にはダメージを与えているように見えるけどグラトニーの本体はコアなので実際にはノーダメージだろう。
それにしてもこの金属融解液、人型グラトニーにも一応効果が有るみたい。
人型グラトニーには効かない可能性も有ると思ってたから効いてくれて助かった。
このままこうやって攻めれば倒せるかなと思っていると、直径1cmぐらいの黒い球体が複数、人型グラトニーに向かって飛んでいく。
流石に時間をかけすぎたか…。
あの黒い球体はフィアが重力魔法で作り出した極小のブラックホールだ。
時間をかけすぎた俺が悪いんだけど味方の増援が来てしまった。
フィアは俺なんかよりよっぽど相性良いし、すぐに方がつくだろう。
人型グラトニーはフィアの極小ブラックホールで穴あきチーズみたいに穴だらけになった。
「人型グラトニーのコアは動物型のグラトニーの物より小さいみたいだな。あれだけ穴だらけになっているのに、ピンピンしている」
動物型のグラトニーのコアと同じ大きさだったらコアは破壊されてるだろうってぐらい穴だらけなのにピンピンしてるもんな。
人型グラトニーのコアのサイズはビー玉とかそのレベルのサイズかもしれない。
フィアがトドメを刺そうともう一度ブラックホールを人型グラトニーに対して飛ばす。
だが、人型グラトニーはブラックホール型到達する前に空に現れた亀裂ごと消えてしまった。
「逃げたか…」
亀裂が無くなるとグラトニーは存在出来ないとかそんな感じなのかな?
戦ってる途中、追加でグラトニーが現れることは無かったし。グラトニーが消えると亀裂も無くなるし。
今度グラトニーが現れたらグラトニーじゃなくて亀裂に干渉してみるか?
あの亀裂は大規模な転移魔法だろうから、精霊魔法で干渉することも出来るはずだ。
もしくは、権能を使うか…。
だとしてもグラトニーとの戦闘で権能はまだ使わないでおきたい。
グラトニーの親玉達に権能について知られて対策されされない為に。
グラトニーの中には神を取り込んで権能が使えるやつもいるみたいだし。
今回の人型グラトニーは見た事無いはずの金属融解液に反応してたし。自分たちがこの世界に直接来ていなくても、動物型のグラトニーを通じて情報収集出来る可能性が高い。
そう考えるとフィアのブラックホールはまだ温存しておいて欲しかったけど。
直ぐに倒せなかった俺が悪い。
しかも今回は人型は逃げ帰ってるし。
フィアは有効な攻撃手段を持ってるとして狙われるかもしれない。
フィアだって権能が使えるし、フィアの重力魔法に対して対策してこようが問題ないとは思うけど。
これ以上こっちの情報グラトニーに与えないように、とうぶんは今回みたいな金属融解液を水属性魔法で操って戦う方法でも何とかなるだろう。
「それにしても、人型まで出てきたって事はそろそろ様子見は終わりで侵攻に本腰を入れてくるってことなのか…」
正直、キュアノス島でゆっくりスローライフしたいだけなんだけど。
なんで、つぎからつぎへと敵が現れるのか……。
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