第22話

「光る珊瑚専用の餌を幾つか用意しまして、その餌の種類によって光の色、光量を変更できるようになりました」


珊瑚の養殖には自信がありますって言ってたけど超優秀だなネレイド達。

こんなすぐにここまでわかりやすい成果がでると思ってなかった。


「これって他の場所でも好きな色に発行させられるの?」


「私たちが作った餌を与えれば何処でも色の変更は可能です」


特別なのは場所じゃなくて餌なんだから当然か。


「そしたら、その餌を全種類売って欲しい。家でも試して見たいし。色を変えられるやつだけじゃなくて光量を変えられる餌も」


光量を抑えられるならリバイアサンの里の家にある巨大水槽のレイアウトにも使えるし。


「それと俺がお願いした仕事で結果を出したから、ネレイド達に報酬をって思うんだけど。何が欲しい?」


普通にお給料は出してるけど。

結果を出したならちゃんと特別報酬をあげないと。


「コウ様が私たちの仕事を評価していただいているのは大変嬉しいのですが。これは私たちをこの世界に連れてきて頂いたことに対するお礼の意味もあるのです。なので今回のことで追加の報酬を頂く訳には行かないのです」


成程。それなら無理に報酬をあげるのも良くないか。


「そう言うことなら分かった。ただ、餌自体はちゃんと買い取るからね?」


流石にタダで貰うのは申し訳ないし。

ネレイドの技術に失礼だと思うから。


「承知しました。餌に関してはすぐに用意させていただきます」


ネレイド達が開発した光る珊瑚用の餌を用意してもらっている間に村の中を案内してもらった。ドーム状の建物の中は水中じゃなくて空気で満たされてるのは意外だった。


「案内してくれてありがとう。やっぱり初めて見る場所を観光するのは楽しいね」


この世界はたくさんの種族が住んでるから地域種族ごとに建物の違いが結構あってそれを見るのもとても面白い。


「楽しんでいただけて幸いです。こちらが光る珊瑚の餌です。袋に対応する色と光量か書いて有りますので、間違えることはないはずです」


「ありがとう。これ料金代わりね」


ネレイド達はお金より現物支給の方が喜ぶので魔物の素材とか宝石を渡す。



「コウ様コレは多すぎます!」


やっぱりそうなるか。

そう言われるのはわかってた。


「だけどこの餌を作れるのはネレイド達しか居ないって考えると、このぐらいの価値があると俺は思ったんだけど」


まぁ、この餌を開発した特別報酬も込だけど。特別報酬では無く餌の料金としてなら受け取ってくれるだろう。

その意図までセレンさんからしたら見え見えらしく若干呆れた表情をされたけど。

黙って受け取ってくれた。

こうなったら何を言っても押し付けていくと

理解してくれているらしい。


「ネレイド達が良い感じに馴染めているみたいで良かった」


ネレイドの村からキュアノス島に戻ってきた。ちょっと遅くなっちゃったけど昼ごはんを食べようと屋台を見て回る。


ホントに食べ物の種類が増えたな〜と思いながら歩く。

地球で買い漁った料理のレシピ本を複製して好きに読めるように図書館を用意したから皆の料理の幅が大幅に広がったからだ。

皆この世界に存在しない調味料を再現しようと頑張ったり、こちらの食材に合わせたアレンジを加えたりで生き生きしている。

俺と皆の披露宴の時にその事をしった参加者達もレシピ本めっちゃ欲しがってたけど…。

レシピは貴重なものだと思うのでレシピ本自体は渡さなかった。

けど、全く教えないと言うのもケチ臭いと言われそうなので、数品分だけピックアップして教えて上げた。


「おー肉まん」


大きな蒸籠が目に入りその屋台に近づいてみるとその屋台は肉まんを作っていた。


有りそうで無かったんだよな肉まん。

今日のお昼ご飯は肉まんにすることにした。


「ピザまんとかカレーまんとか色々有るけど。やっぱりスタンダードな肉まんが好きだな〜俺は」


みじん切りにされて入ってるキノコがいい味を出している。

肉だけじゃなくてキノコとか野菜が入っているからこその美味しさ。


追加の肉まんを買っちゃおうかなとか考えていると、突然空に亀裂が走る。


「遂にキュアノス島にもグラトニーが現れるようになったか。それに人型か…」


空に現れた亀裂から姿を表したのは今までの正八面体型や動物型では無人型だった。


人型のグラトニーが手を上にあげたと思ったらキュアノス島の上空に金属で作られた槍が現れる。

人型グラトニーの魔法だろう、そのまま攻撃させる訳には行かないので迎撃する。

今までのグラトニーはコアから離れている金属には取り込んで金属にしてしまう能力は無かったけど。

人型のグラトニー型魔法で作り出した金属にはコアに触れてなくても取り込んで金属にしてしまう能力があるみたいだ。


迎撃のために飛ばした氷の槍が取り込まれてしまった。

倍のサイズになった金属の槍が地面に突き刺さる。

取り敢えず。そのまま放置は出来ない。とりあえず金属の槍を直接凍らせる。

侵食されてドンドン金属に変わって言ってるけど少しは時間が稼げるだろう。

俺がこの金属の槍をどうにかするには人型グラトニーを倒す以外に無さそうだ。




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読んでいただきありがとうございます。





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