第20話
「まぁ、今更戻っても俺の変人認定は変わらないし。もっと採集を続けよう」
ロスもセラスのダンジョンもヌルヌル草を育てることは可能だろうけど。ヌルヌル草が育つ環境づくりから必要だろうし。こうやって既に採集できる場所が有るなら、そこから採集した方が良いだろう。
とりあえずこれぐらい有れば足りるかな?という所までヌルヌル草を採集して、次の素材の採集ポイントに向かって移動を開始した。
「俺が集める最後の素材がヴェノムサラマンダーの粘膜。身にも毒が有るから食べられないのは残念」
ダンジョンにある湿地帯で毒持ちのサンショウウオを討伐中。
オオサンショウウオとか食べたら山椒の味がするとか言われてたらしいし、ちょっと気になってたんだけどなー。残念。
ヴェノムサラマンダーは熔鉄アリと違って群れている訳でも無いのでそれなりに歩き回る事になってしまったけど。ヌルヌル草に比べたら短時間で量を集めることが出来た。
必要なのは粘液だから氷漬けにして倒すことが出来なかったので、少し手間だったけど。
「これで俺が集める分はひとまず終了。キュアノス島にさっさと帰ろう」
俺が集める予定の素材は全て集まったのでキュアノス島に帰るために転移魔法を発動させる。
今晩はシマヅで買ったふぐの切り身の味噌漬けを使った料理なので楽しみにしてたんだ。
5年も味噌漬けになってるのに刺身でも食べれるらしいからね。
後は素揚げにしたりして食べるらしい。
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「味は濃いけど。思ったほどでは無いね。ご飯と一緒に食べるとちょうどいいぐらいの濃さだ」
キュアノス島のに帰ってきてお風呂に入るとすぐに晩御飯の時間になった。
ふぐの切り身の味噌漬けは正直めっちゃしょっぱくて酒の肴とかそっち方面の食べ物かな?とも思ってたんだけど。
単体で食べると確かにしょっぱいと感じるけどご飯と食べると丁度いい。
刺身はねっとりとしていて噛むと甘みが感じられてとても美味しい。
出汁茶漬けの具にもピッタリかもな。
素揚げもしつこく無くてパクパク食べれる美味しさ。
少し聞いた話では、つけるのに使う味噌は独自に作られた特別製らしく。今食べてる同じ種類のふぐを捕まえて自分達で味噌漬けにしても毒を抜くことはできないらしい。
ちょっと残念だけど。またシマヅに買いに行けば良いだけだ。
ただ味噌味がしっかりついてるので色々な料理に使えないのはちょっと残念な点だよな。
これも定期的に買うのは当然として、魔物創造による毒を持たないふぐの魔物も作りたいな。
ご飯を食べ終わってひと段落したところで俺が素材を集めているときにグラトニーに動きについて教えて貰った。
どうやら正八面体型だけではなく、オオカミ型も現れ始めたらしい。
正八面体は触れたものを金属に変えて取り込むだけで、特にそれ以外の意思を感じられなかったけど。
オオカミ型からは明確な敵意も感じられたらしい。
また、オオカミ型の方が連携もするし、速度も早かったらしい。
遠距離攻撃に関しては確認はとれ無かったみたいだ。
そして1番気になる金属融解液の効果だが、しっかり効いたようだ。
ただ、正八面体型とオオカミ型では効果に差があったらしくオオカミ型の方が若干では有るけど効きが悪かったらしい。
その事からグラトニーの上位種になればなるほど、今の金属融解液では効きが悪くなることが予想されるという事で既に取り組んではいるけど、更なる有効な武器開発が必要になった。
「本当は、金属融解液より使いやすい物の開発に力を入れたいんだけど。新しい物を作るより既存のものを改良する方が確実だから当分は金属融解液の改良に力を入れる予定」
ただ、正八面体型とオオカミ型の金属自体は全く違いが無かったので、金属融解液の改良ではグラトニーの上位種には対応出来なくなるかもしれないとの事だ。
色々と一筋縄では行かないみたいだ。
「それに関しては俺に手伝えることは少ないけど。できることがあったら教えて協力するから」
「なにかあったらお願いするね」
素材集めとか魔力の提供ぐらいしか手伝えることないけどね。
「ああ、そうだ。ダンジョンを一般開放する事にしたから、人を連れて来るのにホワ〇トベースを使おうと思ってるんだけど良い?」
飛行船の使用許可を取るのを忘れてた。
ダメだとは言われないと思うけど。
「良いですよ。作るだけ作って使う予定がなかったですし。性能が既存の飛行船と違いすぎて、売るのも無理で完全に死蔵してたから」
しっかり許可を貰ったので、これでホワ〇トベースを自由に使える。
まぁクルーを募集したりしないと、まだ動かせないけど。
今回も幻獣種や精霊の中で興味のある人に頼む事にしよう幻獣種や精霊達ならフライト中に魔物に襲われても余裕で撃退できるだろうし。
ホワ〇トベースの兵装でも余裕で撃退出来るだろうけど。
後は冒険者ギルドに話を持っていったり商業ギルドにも話をしないといけないか。
しばらくはグラトニーを警戒しながら、ダンジョンを一般開放するために活動する事になりそうだ。
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読んでいただきありがとうございます。
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